自閉症の子供がマスクの着用を拒んだため、入園を拒否され、家族旅行が台無しになった…。ディズニーランドのマスク着用ルールをめぐるトラブルに世間からはさまざま意見があがっている。(フロントロウ編集部)

自閉症の子供へのマスク強要に人気ラッパーが苦言

 先日、娘の誕生日を祝うために家族や親戚合わせて30人以上で、アメリカのフロリダ州オーランドにあるウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート(以下ディズニーワールド)を訪れた人気ラッパーのジョーイ・バッドアス(Joey Bada$$)が、自閉症を抱えるまだ幼いいとこがマスクの着用をしていなかったことが理由で入園を拒否されたと、自身のインスタグラムにアップした動画を通じて明かした。

 ジョーイによると、彼のいとこは「マスクやフェイスカバーをすると息苦しくなる」という理由でマスクを嫌がるそうで、そのことを理解してもらおうと従業員の説得を試みたがダメだったという。結局、いとこ抜きでディズニーワールドへ行くことになったが、「せっかくの家族旅行が台無しになった」とジョーイは主張している。

画像: 「もう二度とディズニーランドには行かない」と怒りをぶちまけたジョーイ・バッドアス。

「もう二度とディズニーランドには行かない」と怒りをぶちまけたジョーイ・バッドアス。

 コロナ禍ということもあって、現在、ディズニーワールドでは入園前の体温チェックに加え、園内でのマスク着用とソーシャルディスタンス(社会的距離)の確保を義務付けるなど、徹底した新型コロナウイルス感染予防策を実施している。とくにマスクに関しては、飛沫感染を防ぐためにアトラクションでも着用が義務化されており、はずしていいのは飲食をする時だけで、公式サイトにも「ワクチン接種の有無にかかわらず、園内ではすべての人(2歳以上)がマスクをしなければなりません」と記されている。

 何らかの事情があってマスクをつけられない子供が入園を拒否されるという出来事が以前にも何度かあったが、感染予防の観点から、病気や障がいを抱えている場合も例外は認められていない。「夢の国なのに…」と思う気持ちもわからなくはないが、ひとりを許してしまえば、全員を許すことになってしまう。そのため、コロナ禍の今、「マスクができないならディズニーランドに行くべきではない」がディズニーファンのあいだでは暗黙の了解となっている。

画像: 自閉症の子供へのマスク強要に人気ラッパーが苦言

 ちなみに、今回のジョーイのクレームに、「ルールはルールだからしょうがない」「従業員は悪者じゃない。彼らはただ自分たちの仕事をしているだけ」といった冷静な意見が多くある一方で、「自閉症の子供にマスクを強要するのはあまりにも酷」など、ジョーイと彼のいとこに同情を示す声もある。

マスク着用をめぐるトラブルが絶えない

 日本ではコロナ前からマスク文化が定着していたこともあって、拒否反応を示す人はそれほど多くないが、欧米ではマスク=医療従事者もしくは病人がつけるものというイメージが強く、パンデミック発生から1年以上が経過した今もマスク否定派が一定数いる。

 入園の条件としてマスク着用を義務付けているディズニーワールドでも、マスク関連のトラブルが絶えず、キャストが今最も頭を抱えているのが「ゲストへのマスク着用を促すこと」だという。

画像: マスク着用をめぐるトラブルが絶えない

 長時間滞在していると気の緩みからついマスクをはずしてしまうゲストも多く、なかには注意すると逆上する人も。キャストの手には負えず、警備員によって強制的に園から追い出されるケースもあり、約2週間前にはマスクの着用を促したキャストに向かってゲストが唾を吐くという事件もあった。その後、当該のゲストは駆けつけた警察官によって逮捕されたものの、マスクをしていないゲストへの対応はキャストにとってある意味命がけということがこの事件によって明らかになった。(フロントロウ編集部)

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