ピクサーが新作に向けてトランスジェンダー少女役の募集を始めたことが報じられている。(フロントロウ編集部)

ピクサーがトランスジェンダー少女役の声優を募集

 2020年5月、初となるゲイカップルが主役の短編アニメーション『殻を破る』を公開して話題を集めたピクサーが、今度はトランスジェンダーの少女を作品に登場させるよう。このニュースは、サンフランシスコを拠点に活動しているトランスジェンダーのための権利団体である「SFトランス・マーチ」のツイッターによって明らかになっており、彼らはピクサーのキャスティング・ディレクターから入手したというフライヤーをツイッターで公開している。

 「SFトランス・マーチ」が入手したフライヤーは、ピクサーが来たる新作に向けてキャストを募集するために作成したもの。

 「キャスト募集:ピクサー・アニメーション・スタジオ」という見出しが書かれたこのフライヤーの募集要項には、次のように記されている。

キャラクター:14歳のトランス少女ジェス
彼女は思いやりがあって、おかしくて、いつだって後ろから支えてくれます。

以下の条件に該当する12〜17歳の女優を募集します。
○熱意があり、外交的で、おかしくて、エネルギーに満ちている。
○マイクの前で気楽に演技をすることができる。
14歳のトランス少女を芯から表現することができる。

 注目すべきは、募集要項に挙げられている、「14歳のトランス少女を芯から表現することができる」という項目に下線が引かれているということ。ここでは明言されていないものの、スタジオ側はトランスジェンダーの少女をキャスティングする意向であるという意味だととらえられている。

ストレート・ウォッシングが議論に

 ハリウッドでは近年、ストレートの役者が性的マイノリティであるLGBTQ+のキャラクターを演じる「ストレート・ウォッシング」が問題視されており、2018年には、映画『Rub & Tug(原題)』でトランスジェンダー役に起用されたスカーレット・ヨハンソンが批判を受けて降板したほか、昨年には、ハル・ベリーも同様に撮影を控えていたトランス男性役を降板している。

 俳優は自分ではないものを演じるのが職業であるため、俳優の中でも、セクシャル・マイノリティの役をそうではない俳優が演じるべきかどうかについては意見がわかれている。ただ、この議論が起こっている原因は、そもそもトランスジェンダーの俳優に与えられている機会が少ないことが原因。ハリウッドに改善が必要なことは間違いない。

 14歳のトランス少女ジェスが登場する作品が、長編か短編かについてや、公開日などの詳細については現時点で明らかになっていない。ジェスにどんな声優が抜擢されるかも含め、今後も注目していきたい。(フロントロウ編集部)

 

 

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