映画『ワイルド・スピード』シリーズのタイトル
映画『ワイルド・スピード』は、2001年に第1作目が公開されて以降、9作品が公開されている大人気シリーズ。2021年には最新作の『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』が公開され、大きな話題となった。
アメリカでは『Fast & Furious(ファスト・アンド・フュリアス)』というタイトルで親しまれており、現在は10作目の制作が進められている本シリーズだが、公開前には現在のものとは全く異なるタイトル案があったという。
『ワイルド・スピード(Fast& Furious)』の別タイトルは?
本シリーズのプロデューサーを務めるニール・モリッツは米Insiderに、2001年の第1作目は当初『Redline(レッドライン)』というタイトルで呼ばれていたことを明かした。直訳すると“越えてはならない一線”という意味だが、エンジンを過回転させるという意味も持っている。
しかし、この他にもいくつかのタイトル案があり、それぞれが現在のものより“ひどい”ものだったと告白。
そのタイトル案は、
『StreetWars(ストリート・ウォーズ)』
『Race Wars(レース・ウォーズ)』
『Racer X(レーサーX)』
の3つ。
確かに、なんとなくヒット作になる予感はしないし、『Racer X』にいたっては、主演のヴィン・ディーゼルが2002年に出演した映画『トリプルX』を彷彿とさせる。
『ワイルド・スピード(Fast& Furious)』というタイトルになった理由は?
ニールはこれらのタイトルを今では「安っぽい」と呼んでおり、『Fast & Furious』というタイトルは、ハリウッドで「B級映画の帝王(King of the Bs)」と呼ばれる名プロデューサー、ロジャー・コーマンの作品を見に行った時に『The Fast and the Furious』というタイトルの映画を発見し、「タイトルはこれだ!」と思い採用したそう。
『Fast &Furious』は直訳すると「速い&激怒」だが、アメリカでは「fast and furious」は熟語であるため、「猛烈な速さ」という意味になる。「Redline(レッドライン)」というタイトルも捨てがたかったが、やはり『Fast& Furious』が一番しっくりくる。
それにしても、採用されなかったタイトルを“ダサかった”と言って自虐ネタにできるところもすごいが、タイトルが別の映画から拝借したものだったことを堂々と認められるところも潔くてかっこいい。
ちなみに海外では日本の『ワイルド・スピード』というタイトルが絶賛されており、爽やかで、深く考えなくても分かりやすく、自由な発想で楽しめるアーケード・レーシング・ゲームのタイトルのようだと言われている。(フロントロウ編集部)