ラッパーのトラヴィス・スコットが主催したフェスティバル「アストロワールド」で発生した悲劇で亡くなった10人の犠牲者の死因が明らかになった。(フロントロウ編集部)

アストロワールドで犠牲になった10人の死因が明らかに

 現地時間11月5日に米テキサス州ヒューストンのNRGパークで開催されたトラヴィス・スコット主催のフェスティバル「アストロワールド」で、ステージ前方に観客が殺到して10人の参加者が犠牲になる悲劇が起きた。

画像: アストロワールドで犠牲になった10人の死因が明らかに

 アストロワールドについてはフェスティバルの当日に300人以上の怪我人が出て、8人が亡くなったことが報じられていたが、その後、病院に搬送されて治療を受けていた2人が亡くなり、犠牲者は10人となった。犠牲になったのは9歳〜27歳までの10人となっている。

 今回、犠牲になった10人の検視結果が明らかになり、10人全員が圧迫による窒息(compression asphyxia)で亡くなったと結論づけられた。米複数メディアによれば、そのうちの1人については、「コカインと(覚醒剤の)メタンフェタミン、エタノールによる複合毒性作用」も死因の1つとなったと記されているという。

 アストロワールドの悲劇をめぐっては当初、何者かが警備員に薬物を注入した可能性が浮上して、何者かによる薬物の投与が死に繋がった疑いがあるとして殺人事件も視野に入れて捜査されていたが、こちらについては地元警察が現地時間11月10日に開いた記者会見で、少なくとも警備員には注射痕がなかったと発表していた。

 今回の検視結果を受けて、薬物が死因ではなかったことが証明されたアクセル・アコスタ(享年21歳)の遺族は、弁護士を通じた声明で「アクセルの血液中には、毒物や他の同様の物質が一切含まれていなかったということも重要です。正式な検視結果を受け取り、我々は警察長にこのことを伝えたいです。恥を知ってください。人々がコンサートで(薬物を)注射されたという馬鹿げた噂を持続させ、信憑性を与えたことを恥じてください」と綴り、“薬物に関連した殺人事件”の可能性を発表していた警察を批判した。

 「あなた方がそうしたことで、耐え難い痛みを経験していたアクセルの家族にさらなる苦しみをもたらしたのです」と声明には綴られている。

 悲劇はヘッドライナーを務めたトラヴィスのパフォーマンス中に起きており、トラヴィスら主催者には300件近い訴訟が起こされている。先日、トラヴィスはその一部の棄却を求めたほか、悲劇後初のインタビューで、パフォーマンス中は悲劇が起きていたことを“把握していなかった”と改めて語った。(フロントロウ編集部)

 

 

 

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