『進撃の巨人』は様々な“壁”を壊した
諫山創による漫画を原作とするアニメ『進撃の巨人』は、世界中で大人気となっている。
欧米では、アニメ好きとして知られる俳優のジョン・ボイエガや、シンガーのビリー・アイリッシュなどがファンであるのはもちろんのこと、NFLのロサンゼルス・チャージャーズで活躍中のジョーイ・ボーサが試合中に調査兵団が行なう敬礼、心臓の位置に右の拳を当てる心臓を捧げよ!のポーズを行なったり、スーパーボウルの前には『進撃の巨人』をオマージュした画像が作られたりと、これまでアニメに馴染みのなかった人々からも人気となっている。
この状況は、昔からのアニメファンにとっては驚くべきことだが、『進撃の巨人』でアルミンの英語吹き替えを務める声優のジョシュ・グレルも、この変化を感じているそう。米Comicbookのインタビューでジョシュは、自身の父親との関係というパーソナルな要素に触れ、アニメの変化を語った。
「幼い頃からのアニメファンとしては、"マジで、そろそろだろ "というのが最初の思いです。若いファンだった頃、また、EDV映画やFunimationで実際にプロとして声優の仕事を始めた頃は、もう18年ほども前です。私は自分の仕事を家族、特に私の父に見せようとしました。しかし父は伝統的なカウボーイなんですよ。魔法が使える少女のアニメは、彼の趣味ではありません。でも、『進撃の巨人』は大好きなんです。このアニメは、父が夢中になっただけでなく、私たちの絆を深めてくれた最初で唯一のアニメです」
アルミンのコスプレイヤーとポーズをとるジョシュ(右)。
アメリカの古典的伝統のカウボーイが、日本のアニメに出会う…。アニメファン以外からも支持される『進撃の巨人』の人気の高さを物語る逸話。
そのような経験もあり、『進撃の巨人』が様々な人から愛されていることを実感しているジョシュは、昔からのアニメファンとして感慨深げにこう続けた。
「私たちはこのような番組の一部ですし、今は多様な人々のために(つながりを作る)アニメが多くあります。でも、壁を打ち破り、より多くの人を引き込む作品に参加できたことは、本当に素晴らしいことだと思います。“やったね。私が子供の頃から見てきたこのジャンルのビジュアルを使った物語の進め方、そしてそれがどれだけ素晴らしいものであるかを、ようやく人々に理解してもらえた”という感じです」
(フロントロウ編集部)