タラジ・P・ヘンソンが「Free Jussie」を訴える
ヘイトクライムを自作自演した罪で有罪となり、約5ヵ月の実刑判決を受けた俳優のジャシー・スモレットとドラマ『Empire 成功の代償』で共演していた俳優のタラジ・P・ヘンソンが、ジャシーは“もう十分な罰を受けた”として擁護する姿勢を見せた。
2019年1月、『Empire 成功の代償』のジャマル・ライオン役で知られるジャシーが、アメリカのシカゴで2人組の男に襲われる暴行事件が発生。黒人で同性愛者のジャシーが、犯人から人種や性的指向を差別する暴言を浴びさせられたと証言したため、ヘイトクライムの可能性があるとして警察が捜査に乗り出したが、のちに犯人がジャシーの知人の黒人男性だったことが発覚し、事件はジャシーの自作自演だったと結論づけられた。その後、警察に虚偽の報告をした疑いで逮捕されたジャシーは、一度は不起訴になるも、昨年1月、「罪を立証するのに十分な証拠が得られた」とする特別検察官によって新たに6つの容疑で起訴され、今月10日に約5ヵ月の実刑判決が下された。
タラジは「彼が無罪かどうかをあなたと議論するつもりはありません」としたうえで「しかし、私たちは彼に与えられた罰が罪と見合っていないことに同意できます」と言うと、こう続けた。
「エメット・ティル(※)は嘘のせいで残酷に殴られ、最終的に殺されましたが、彼の死に関わった人々は誰ひとりとして1日たりとも刑務所には入りませんでした。キャロライン・ブライアントが彼女の主張が嘘だと認めたあともです。ジャシーがやったことによって、誰も傷ついたり死んだりすることはありませんでした。彼はすでにすべてを失っています。同じアーティストとして、何かを創り出すことができないこと自体、十分な罰だと思います。彼は仕事を得ることができません。ハリウッドでは誰も彼を雇いませんし、創造を愛するアーティストにとってはそれは牢獄にいるも同然です。私の祈りは、彼が解放され、自宅謹慎と保護観察に付されることです。この場合、それが公平に思えるからです。#FreeJussie」
※1955年に白人女性がついた嘘が原因でリンチを受けて惨殺されたアフリカ系アメリカ人の少年。
タラジはジャシーが無実かどうか議論するつもりはないが、罪と刑の重さが合っていないとしてジャシーの解放を求めており、同様にドラマ『POSE/ポーズ』などの出演作で知られる俳優のインディア・ムーアも「あなたは刑務所に入るべきではありません。#FreeJussie」とインスタグラムに投稿し、ジャシーへのサポートを表明している。
ちなみに、ジャシーの兄によると、現在、ジャシーは自傷の危険があるとしてクック郡刑務所の精神病棟に収監されているという。フロントロウでお伝えしたが、ジェシーは刑務所に連行される前、法廷で「自殺願望はありません」と連呼していた。そのため、兄も「(ジャシーには)絶対に自傷の危険はない」として刑務所の対応に苦言を呈しているが、米TMZはジャシーが精神病棟にいるのは「そこが有名人の受刑者を収容する場所だから」という警察関係者の証言を伝えている。(フロントロウ編集部)