ウィル・スミス、ビンタ事件で警察に逮捕される可能性もあった
現地時間3月27日に開催されたアカデミー賞授賞式で俳優のウィル・スミスがコメディアンのクリス・ロックをビンタした騒動で、裏で警察がウィルの逮捕に向けて動き出すも、被害者のクリスが拒否していたことが明らかになった。
ご存じの方も多いと思うが、授賞式にプレゼンターとして登場したクリスがウィルの妻ジェイダ・ピンケット・スミスの坊主頭をジョークにするひと幕があり、そのことに激怒したウィルが、突如、壇上にあがってクリスをビンタするという事件が起きた。それでもなおウィルの怒りは収まらず、Fワードと呼ばれる放送禁止用語を使ってクリスを罵り、アメリカではその瞬間だけ無音で放送された。じつは、ジェイダは脱毛症に悩まされており、それが理由で2021年から坊主頭にしている。その事実をクリスが知っていたかどうかは不明だが、米TMZは、“クリスはジェイダが脱毛症であることを知らなかった”と報じている。
授賞式から数日が経過した今もなおビンタ騒動が尾を引くなか、2022年のアカデミー賞授賞式のプロデューサーを務めたウィル・パッカー氏がアメリカの朝の情報番組『Good Morning America(原題)』に出演し、ロサンゼルス市警がウィルを暴行罪で逮捕する用意があったことを明かした。パッカー氏は、「彼ら(警察)は、これは暴行罪にあたると言いまいた。『我々が彼を捕まえに行く。準備はできている。今すぐにでも捕まえに行く用意がある。あなた(クリス)は彼を告訴することができ、我々は彼を逮捕することもできる』と。彼らはいくつかの選択肢を提示しました」と言うと、さらにこう続けた。
「それらの選択肢に、クリスは非常に否定的な反応を示していました。彼は『いやいや、大丈夫だ』と。だから、私は『ロック、彼らの話を最後まで聞くんだ』と諭しました。そして、説明を終えたロス市警の警官が『我々に何かしてほしいことはありますか?』と言うと、彼(クリス)は『ノー』と答えました」
このときのクリスの答え次第では、ウィルが逮捕される可能性もあったが、被害者のクリスがそれを望まなかったこともあり、事件化することはなかった。
ちなみに、アワードを主催する映画芸術科学アカデミーが、騒動のあとウィルに退席を促すも「拒否された」と会員宛ての手紙のなかで明かしたことを先日フロントロウでお伝えしたが、米Varietyによると、ある関係者はその主張を否定しているという。裏でウィルを授賞式から退場させるかどうかの議論が行われたことは事実で、一部の関係者はウィルの退場を望んでいたが、Varietyに証言をした関係者は正式あるいは明確な要請はなかったとしている。(フロントロウ編集部)