アカデミー賞でウィル・スミスにすぐに駆け寄って落ち着かせたデンゼル・ワシントンが、騒動について初めて口を開いた。(フロントロウ編集部)

デンゼル・ワシントンの思い

 第94回アカデミー賞授賞式で妻ジェイダ・ピンケット・スミスの坊主頭をジョークのネタにしたクリス・ロックに激怒したウィル・スミスが、ステージ上でクリスをビンタし、その後、放送禁止用語のFワードを連発した出来事。理由はどうであれ人の外見をジョークにすることは失礼にあたることは多いが、さらにジェイダが坊主にしていたのは脱毛症が原因だったため、ウィルは突発的な行動に出た。

 その直後に、ウィルの元に駆け寄った先輩俳優であるデンゼル・ワシントンのアドバイスはウィルの心を落ち着かせ、ウィルはその後受賞するに至った主演男優賞のスピーチでも、「デンゼルからさっきこう言われました。『人生の頂点にいるときこそ気を付けろ。そういうときに悪魔はやってくるものだ』」と言及した。

 授賞式でそんな役割を担ったデンゼルが、その後初めてこの出来事について振り返り、思いを語った。T.D. Jakes司教によるリーダーシップサミットに参加したデンゼルは、こう語った。

画像: 第64回トニー賞でのデンゼル・ワシントンとウィル・スミス。

第64回トニー賞でのデンゼル・ワシントンとウィル・スミス。

 「『悪魔があなたを無視する時、あなたは自分が何か間違っていることをしていると知る』という言い回しがあります。悪魔は、『あぁ、ノー。彼を放っておいてやれ。彼は私のお気に入りだ』と。反対に、悪魔があなたの元にやってきたのであれば、それは多分あなたが正しいことを行なおうとしているからでしょう。そしてあの夜(アカデミー賞授賞式)、悪魔はあの環境を手中に収めたのです。幸運なことに、そこには多くの人がいました。私だけでなく、他の人々も。タイラー・ペリーは私とともに、すぐにあそこ(ウィルの元)に行き、祈りを捧げました。私たちが話したことについては言いたくありませんが、神の慈悲はありました。私たちは誰を責められるのでしょうか?あの時の状況のすべてを知っているわけではありませんが、唯一の解決策は祈りでしょう。私はそう思っています」

クリス・ロック、ウィル・スミスをからかう声に「No」

 ウィルはその後、クリスに正式に謝罪し、さらに、アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーを退会することを発表。

 クリスは、騒動の3日後に初めて公に姿を見せたスタンドアップコメディのショーで、「まだ、何が起こったのか整理できていない」という気持ちを吐露していたが、その翌日のショーで観客からウィルの名がヤジられると、「ノー、ノー、ノー、ノー、ノー」と制止した。

 クリス、ウィル、ジェイダの3人は昔からの知り合い。また、デンゼルのほかにも、その後授賞式でステージ上に上がった音楽プロデューサーのディディことショーン・コムズがクリスとウィルに「家族のように解決しよう」と話しかけるなど、ハリウッドで活躍する黒人の著名人たちの繋がりも感じる出来事は多々起こった。

(フロントロウ編集部)

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