シャーリーズ・セロンが、過去に着させられた衣装について怒り爆発。(フロントロウ編集部)

シャーリーズ・セロン、男性目線の衣装に意見できなかった過去

 映画『モンスター』や『スタンドアップ』、『スキャンダル』などで知られるシャーリーズ・セロンは、作品によってまったく異なるキャラクターを演じられるカメレオン俳優として有名。『ワイルド・スピード』シリーズや『オールドガード』などアクション映画も得意としており、かっこ良い女性として女性からも男性からも人気を博している。

 しかしそんな彼女でも、キャリアの当初には男性が多い映像業界で性差別的な経験に耐えざるを得なかったという。米Harper's Bazaarのインタビューで彼女が振り返ったのは、衣装について。こう語っている。

 「自分が着るものについて意見を言える権利がまったくないということは、何年も私をマジで本気でイラだたせてきましたよ。男性たちの前でフィッティングさせられるといったことは、本当に軽んじられているということです。キャリアの初期には、それについての会話もありませんでした。“これが君が着るもの”という感じで。とくに、ある1つの映画のことを覚えていますが、男性の監督が何度も何度も何度もフィッティングをさせ続けてきて…、それは私のセクシャリティが理由であることは明白で、彼らは映画のなかで私をヤりたいと思わせるような外見にしたがっていた。そして私のキャリアが始まった時代には、それは普通のことだった」

 彼女が有名になったきっかけの映画は1996年の『2 days トゥー・デイズ』で、ここで彼女は非常に性的に描かれている。物語のなかで女性であれば性的な役割を担わされることは現在でも多いが、90年代当時にその役のイメージがつけば、シャーリーズの経験したような状況に陥るのはより簡単だったはず。

画像: 『2 days トゥー・デイズ』のプレミアでのシャーリーズ。

『2 days トゥー・デイズ』のプレミアでのシャーリーズ。

 しかし、映像業界における性差別に怒るシャーリーズは、2003年に制作会社のDenver and Delilah Productionsを創設。同社はこれまでに、女性キャラクターのステレオタイプに挑戦する『モンスター』から『アトミック・ブロンド』、『オールドガード』といった数々の作品を手掛けてきた。

 そんな強い女性代表のようなイメージのあるシャーリーズであっても後悔はあるようで、2020年に、「この30年にわたって、振り返って話題に出来るような他の女性と共演した映画があまりないことを恥ずかしく思っています。(中略)女性が多く登場する映画に出演したことはなかったし、それは信じられないほど間違っていることですよね」と語っていた。

 しかし彼女や、業界の多くの女性たちが着実に起こしてきた変化に、多くの女性たちは気がついている。アン・ハサウェイは10代の頃に、痩せなければいけないというボディ・シェイミングを受けたが、ここ数年では「美しい」出来事が起こっていると2019年に明かしている。「(10代の頃の経験から)20年が経った後、衣装デザイナーのアン・クラブトリーが、生理中に私の身体にどんな変化があるか聞いてきたの。知っておけば、衣装を調整できるからって」

 ヤりたいと思わせる衣装、露出の多い衣装、細い体型用の衣装。物語のなかで必要なものであれば仕方のないことだが、そうでないことも多く、また物語自体に女性への差別意識が含まれるものは多い。しかし女性たちが中心となってそれを変えてきた。シャーリーズは2020年に、その発展についてこんな思いを語っている

 「私達はもう説明しなくて良いんです。私達は戦って、世界を救えて、はちゃめちゃにできる。そして、私達のその行動の後ろに理由はなくていい。私達はただ生きて、息をして、自分でいればいい」

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(フロントロウ編集部)

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