コメディ映画の過酷な撮影
1999年に公開されて世界的大ヒットとなった映画『ホーム・アローン』は、その2年後に続編『ホーム・アローン2』が公開され、両作ともクリスマスのド定番映画として何十年と多くの人に楽しまれている。
主人公のケビンを演じた元子役マコーレー・カルキンの演技力もさることながら、独創的で行動力のありすぎる子どもに翻弄される泥棒2人組を演じたジョー・ペシとダニエル・スターンによる、マコーレーをサポートしつつ存在感を出す演技も見事。
ジョーは1作目と同じ年に公開された『グッドフェローズ』でアカデミー賞助演男優賞を受賞しており、シリアスなものからコメディまで幅広い作品に対応できる俳優として活躍してきた。しかし、そんなジョーであっても『ホーム・アローン』の撮影は大変なことも多かったよう。
2作目の公開から30年を記念した米Peopleのインタビューで、ジョーは、「『ホーム・アローン』シリーズは物理的ともいえるコメディだったので、(他のコメディ作品より)求められることは少し多かった」と明かす。コメディというジャンルの中にも、会話で笑わせるものや、ノリで笑わせるものなど、様々な種類がある。そして『ホーム・アローン』は体を張った大騒ぎが見どころなので、苦労もあったよう。
『ホーム・アローン』シリーズを専門家が分析すると、ジョーが演じたハリーと、ダニエルが演じたマーヴが死ぬ可能性があるというケビンのいたずらは多い。本作はフィクションだから面白いというのは観客も理解しているところだが、撮影中にはジョーが実際にケガも負っていたよう。しかもそれは、頭部の火傷。
「物理的なユーモアの特定のタイプをする時に予想されるコブやアザ、一般的な痛みに加えて、私は頭に負った深刻な火傷にも苦しんだんです。ハリーの帽子に火がつくシーンの最中にね」
彼が話したシーンと言うのは、ハリーの頭が燃え、火を消すためにトイレに頭を突っ込み、その結果爆発するというものだった。トイレに頭を入れる部分では、映像を見るかぎりスタントダブルが演技していると思われるが、それ以外はジョー本人だったのだろう。
撮影といえど、自分の頭が燃えている状況というのは怖かったはず。しかもそのなかで火傷を防げなかったというのは、なかなか過酷な経験だっただろう。しかしジョーは続けて、「本当に大変なスタントにはプロのスタントダブルがいてくれて幸運でした」と話した。
ちなみに、1作目ではタランチュラがハリーとマーヴを怖がらせるシーンがあるが、このタランチュラは本物。『ホーム・アローン』シリーズはコメディ映画といえど、撮影は大変だったよう。
(フロントロウ編集部)