海外で話題の「スリープツーリズム」って?
新型コロナウイルスの流行がきっかけとなり、近年進んでいるのが旅の多様化。旅先でリフレッシュしながら仕事に取り組む「ワーケーション」や、リトリートやアクティビティを通じて心と身体を健康に導く「ウェルネスツーリズム」など、これまでの旅の概念を覆す新しい過ごし方を楽しむ人が増えている。
そんななか新たに海外で注目されているのが「スリープツーリズム」という旅の取り入れ方。スリープツーリズムとは何かというと、睡眠に焦点を当てた旅行のこと。
睡眠の質を高める製品やサービスが注目されている今、ついに旅行のトレンドにもこの波が到来したようで、米Purewowは2023年のウェルネストレンド予想としてスリープツーリズムを紹介している。
スリープツーリズムにはどんなものがあるの?
スリープツーリズム=睡眠にフォーカスした旅というのは分かっても、一体どうやって睡眠の質を高めるの?と疑問に感じた人もいるはず。すでに海外では、このスリープツーリズムが体験できる宿泊サービスが続々と登場している。
たとえばニューヨークのパーク ハイアットホテルのスイートルームに設置されているのは、睡眠科学テクノロジー企業Bryte社のAIベッド。100個のコンピューター制御空気圧コイルと内蔵センサーを備えたベッドで、心拍数と呼吸をモニタリングし、データを元に睡眠の質を判定。さらにリアルタイムでモニタリングしながら、より深い睡眠に導くよう自動的にベッドの温度やコイルの沈み方を調整してくれる。
同ホテルのスイートルームにはほかにも、よい睡眠がとれるようブレンドされたエッセンシャルオイルやディフューザー、スリーピングマスクなどがあり、アメニティでも睡眠の質を高めてくれる。
ロンドンにある「ベルモンド カドガン ホテル」は、催眠療法士であり睡眠の専門家であるマルミンダー・ギル氏が監修した「スリープコンシェルジュ」というサービスを提供。
このサービスでは睡眠導入瞑想のガイダンスを筆頭に、自分の睡眠タイプに合わせて適切な枕が選べるサービスや、加重ブランケットのオプション、ベッドタイムティーの提供なども行なっている。さらに希望すれば、マルミンダー・ギル氏の対面カウンセリングまでも客室で受けられるという。
睡眠をコンセプトとしたホテルまで誕生
睡眠に特化したプランやサービスを提供するホテルだけでなく、海外ではコンセプト自体に睡眠を掲げるホテルまで登場。ロンドンにオープンした「Zedwell」は、よい睡眠をとれる空間をつくることを中心に設計。
客室はすべて遮音構造となっており、照明やベッド、シャワーまでも質の高い睡眠がとれるよう計算された徹底ぶり。睡眠の悩みを抱える人はもちろん、時差ぼけによって寝つきが悪くなりやすい人にもぴったりのホテルとなっている。
海外で話題を呼ぶ新しい旅の取り入れ方「スリープツーリズム」。日本でも睡眠の質を意識する人は増えているのでトレンドが到来する日も遠くなさそう。(フロントロウ編集部)