マーゴット・ロビーとミリー・ボビー・ブラウンが、撮影中に同意なしに共演者にキスしていたことが発覚。大きな批判があがっている。(フロントロウ編集部)

マーゴット・ロビーとブラッド・ピットのキス

 社会で起こっている性暴力や力関係は、強い立場にいる男性から弱い立場にいる女性に対して向かうことが多い。しかしそれは決して、女性は男性に対してハラスメントを行なって良いという意味にはならない。

 俳優のマーゴット・ロビーと、ミリー・ボビー・ブラウンが、撮影中に同意なしに共演者にキスしていたことが明らかになり、問題となっている。

 マーゴットは、ネリーというキャラクターを演じた映画『バビロン』の撮影で、ジャックという人物を演じたブラッド・ピットにキスをしている。これは脚本に書かれていたものではなく、意図としては、その場面でネリーはジャックにキスをするだろうという解釈から起こったもの。脚本に書かれていない場面が追加されるのはよくあることで、撮影前にマーゴットはデイミアン・チャゼル監督には許可を取っていたという。

画像: マーゴット・ロビーとブラッド・ピットのキス

 そして、マーゴットはキスすることについて、「『(この機会を逃したら)ブラッド・ピットとキスできるチャンスはないかもしれない。行くしかない』と思いました」というジョークを言い、監督との会話でも、「訴えられてもいいです。こんなチャンスは二度とないかもしれません」という冗談を言ったと明かしている

 マーゴットとブラッドでは、ブラッドのほうが権力を持っているとはいえ、彼女の発言を含んだインタビューが解禁された当時、ブラッドに同意を得ていたかが不明な点や、ジョークの内容から、多くの批判があがった。

 これを受けてマーゴットは米ETのインタビューで、「映画を作る前に、私たちは全員でそれぞれの境界線を決めていました」とコメント。そして、ブラッドもこの件について反応。米Accessで、マーゴットとは『バビロン』で3度目の共演であることに触れたうえで、「私も『(今回でなければ)このチャンスを得られるのはいつ?』と言いましたよ。なので、そうしよう、と」いうようにユーモアを交えて答え、彼も同意していたことを示唆した。

ミリー・ボビー・ブラウンは同意なしでキス

 ミリーは、映画『エノーラ・ホームズの事件簿2』のリハーサルでルイス・パートリッジに同意なしでキスしていた。Netflixによる動画でミリーは、「リハーサルで彼の顔を掴んでキスしたら、彼は…(驚愕した表情)って。(エノーラが)主導権を握るのを見るのは、本当にとても可愛かったです。女の子が最初に行動を起こすのを見るのは、本当に嬉しいことです」と語っている。

 社会的に恋愛では男性が女性とリードするべきという風潮は存在し、ミリーとしては、劇中の展開をそうはしたくなかったのだろう。しかし演技の場においては、わざわざ実際に驚かせる必要はまったくないうえ、今回はマーゴットとブラッドの場合と異なり、同年代の有名俳優であるミリーのほうがルイスより立場も上。

画像: ミリー・ボビー・ブラウンは同意なしでキス

 彼女の発言については、キス、セックス、ヌードのシーンといった撮影で俳優を守る専門家のインティマシー・コーディネーターが、TikTokで問題を指摘している。

 「これはみんなが思うようなキュートな話じゃない。彼女と、そのシーンでのパートナーはすごく仲が良くて、信頼もあるんだと思う。でもファイトシーンや親密なシーンで、相手を驚かせるようなことは絶対にしてはいけない。これは要するに、彼女はキスすることへの同意を彼に求めなかったということでしょう。そして誰かがキスした後に、撮影のパートナーが驚いた反応をしたということは、必要なコミュニケーションは取られていなかったということ。こういった小さなことが、時間とともにエスカレートすることもある」

 親密な行為をする場合は、実際に付き合っていたとしても同意を得ることが重要。そしてとくに、他人である俳優同士では信頼関係があったとしても事前打ち合わせをすることや、インティマシー・コーディネーターといった専門家の立ち合いは必須。それは当事者が男性であっても女性であっても同じで、制作会社の上層部から現場のマネジメントやスタッフ、俳優自身まで、共通認識を持たなくてはいけない。

(フロントロウ編集部)

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