シンガーであるグウェン・ステファニーが「私は日本人」と発言して物議を醸している。「Harajuku Girls」というシングルをリリースしたり、バックダンサーに日本人や日系アメリカ人を起用したり、キャリアを通じて日本愛をオープンにしてきたグウェンの発言が問題視されている理由とは?(フロントロウ編集部)

グウェン・ステファニーが「私は日本人」と発言

 ノー・ダウトのシンガーとしても知られるグウェン・ステファニーが米Allureとのインタビューで語った「私は日本人」という発言が議論の的となっている。

画像: グウェン・ステファニーが「私は日本人」と発言

 ご存知の方も多いと思うが、グウェンはキャリアを通じて日本への愛を公にしてきたシンガーで、ソロとしてデビューしてしばらくは、「原宿ガールズ」と名付けた日本人と日系アメリカ人のバックダンサーたちをステージに起用。同名のシングル「Harajuku Girls」もリリースしたほか、2008年には同名のフレグランスのラインも発表した。

 グウェンはこれまでにも、原宿カルチャーからの影響を反映することが“文化の盗用”にあたるのではないかと議論の的となってきたのだが、今回、米Allureとのインタビューで自身が日本の文化から受けてきた影響についてコメント。アイルランド系の母とイタリア系の父のもとに生まれた、米カリフォルニア州アナハイム出身のグウェンは、日系企業のヤマハに勤めていた父親から聞く日本文化の話に魅了されてきたそう。

文化の盗用(Cultural Appropriation)
あるグループ特有の文化をそのグループに属さない人が流用して利用することで、主にマイノリティの文化を流用したときに起こりやすい議論。マイノリティのファッションや言語、音楽などが世界中で楽しまれるなかで、社会の中でマイノリティの差別がなくならないことは、矛盾しており間違っているという考えが背景にある。

 18年にわたってカリフォルニアと日本を行き来していた父親から受けた影響について、グウェンは次のように振り返った。「私が受けた日本の影響はそこから来ていて、立派な伝統を持ちながらも、未来的で、芸術やディテール、規律にまで細心の注意を払うようなカルチャーに私は魅了されました」。

画像: 2004年にビルボード・ミュージック・アワードに出席したグウェン・ステファニーと「原宿ガールズ」たち。

2004年にビルボード・ミュージック・アワードに出席したグウェン・ステファニーと「原宿ガールズ」たち。

 父親から聞いた、カラフルなヘアをしたスタイリッシュな日本の女性たちに憧れたというグウェンは、大人になって原宿を訪れた際に実際にそうしたカルチャーを目の当たりにし、こう思ったという。「『驚いた。私は日本人なんだ。知らなかった』と思いました」。

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