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子羊を自分たちの子どもとして育てた羊飼いの夫婦を題材にした禁断のネイチャー・スリラー映画『LAMB/ラム』で長編映画デビューしたヴァルディミール・ヨハンソン監督にインタビュー。映画へのこだわりと、羊への愛を感じる取材だった。映画はPrime Videoにて独占配信中。Blu-ray&DVDは3月3日(金)発売。(フロントロウ編集部)

アダちゃんは、4頭の子羊と10人の子どもで作り出した

羊たちとの撮影は難しかったですか?

ヨハンソン監督:みんな『動物と子どもとは仕事をしない方が良い』とよく言いますね。しかし私は、ショートフィルムの時から動物や子どもを作品の中で扱ってきました。そしてこの作品は、クルー全員が田舎や牧場で過ごした経験があるという、素晴らしい環境だったのです。撮影しているうちに気づいたのですが、時間を与え、安心させ、自分は脅威ではないと感じさせれば良いのだと気づきました。正しく扱えば、最終的には、してほしいことをしてくれるのです。

画像1: アダちゃんは、4頭の子羊と10人の子どもで作り出した

アダちゃんは技術的にはどのように撮影されたのでしょうか?

ヨハンソン監督:撮影には子羊4頭を使いました。お産で母親を亡くしてしまった4頭を引き取ったのです。制作中には、この羊が成長するのを待つために撮影を一時休止することもありました。撮影のために20年くらい誰も住んでいない牧場を見つけて、そこを、撮影用に改装したのですが、そこに、私のきょうだいと彼の娘が、4頭の子羊と猫と一緒に2ヵ月くらい暮らしていたのです。たまに会いに行くと、おむつを着けた子羊が見られて面白かったですね。子羊たちは一緒にいる人に精神的になつく、本当に素晴らしい動物です。

そして、数ヵ月から5歳までの子どもを10人起用しました。あとは人形です。ほとんどのシーン、とくに第2章と第3章は、人間、人形、子羊の3通りでシーンを撮影する必要がありました。役者たちは本当に辛抱強く頑張ってくれました。同じシーンを何度も何度も演じなくてはいけませんでしたからね。そして最後にすべての映像を繋ぎ合わせる。そうやって作りました。ただ、動きが多すぎるシーンだけはスペシャル・エフェクトを使っています。

画像2: アダちゃんは、4頭の子羊と10人の子どもで作り出した

羊、人間、人形の3者を繋ぎ合わせるアダちゃんの撮影が最も難しかったと言えますか?

ヨハンソン監督:ある意味、そうと言えます。これがリスキーなアイディアであることは全員が分かっていました。完全なる失敗作になるギリギリのラインですからね。アダが上手くいかなければ、この話は滑稽なコメディです。しかし我々は(ビジュアル・エフェクトを担当した)Peter HjorthやFredrik Nordのような素晴らしいクルーと働くことができた。アダの出来には非常に満足しています。

画像3: アダちゃんは、4頭の子羊と10人の子どもで作り出した

アダちゃんの衣装はどうですか? 監督が細かく決められたのですか?

ヨハンソン監督:そうです。と言うか、衣装のいくつかは私や私のきょうだいのものなんですよ(笑)。制作をはじめたとき、カラーパレットを作ったんです。映画に登場するものは、そのカラーパレットにある色でないとダメと決めていた。(衣装も)そのパレットにない色が使われている場合は使用しませんでした。

カラーパレットの色に意味はあるのですか?

ヨハンソン監督:意味というよりは、その色がどのような感情を引き起こすかですね。緑、黒、白、青。これらは私にとって良い感情を引き起こしてくれる色です。理由は言葉で説明できることではなく、感じることなのです。

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