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子羊を自分たちの子どもとして育てた羊飼いの夫婦を題材にした禁断のネイチャー・スリラー映画『LAMB/ラム』で長編映画デビューしたヴァルディミール・ヨハンソン監督にインタビュー。映画へのこだわりと、羊への愛を感じる取材だった。映画はPrime Videoにて独占配信中。Blu-ray&DVDは3月3日(金)発売。(フロントロウ編集部)

あのエンディング、作品中のタブー、考察について

ちょうど不自然さに慣れてあのファミリーにほのぼのしていた時に、ラストで急にその感情をひっくり返されました。最初からあのエンディングで心は決まっていたのですか?

ヨハンソン監督:あれは最初から決まっていました。ただ、受け取り方は観る人次第だと思っています。ちなみに、私のショートフィルムも似たようなトーンのエンディングが多いんですよ。

アダちゃんの存在やマリアとぺトゥールの関係など、この作品は色々なタブーに触れていますよね。他に、取り入れようと検討したものの無くしたものはあるのでしょうか?

ヨハンソン監督: プロデューサーと脚本について話すなかで、さまざまな問題(テーマ)について議論しました。議題にあがった問題のなかで、意図せずして結果的に映画の中に入り込んだものもあれば、変更したのに映画の中に結果的に残ったものもあります。

画像1: あのエンディング、作品中のタブー、考察について
画像2: あのエンディング、作品中のタブー、考察について

観客に“次に絶対に悪いことが起こる”と思わせて惹きつける暗示を非常にうまく使われていますが、これはどのように達成されたことなのでしょうか?

ヨハンソン監督:ポーランド出身の素晴らしいエディターであるAgnieszka Glinskaに編集を担当してもらいました。最初からスローシネマにしたいと決めていて、しごく普通のことが起きているのに、何かが起こるかもと思わせるようにしたいという意図がありました。これを意識して脚本が書かれたというのもありますね。

監督は、この映画の解釈は観客それぞれにゆだねるとされていますが、これまでに聞いた解釈の中で興味深かったものはありますか?

ヨハンソン監督:これ、実際に数えたのですが、映画を観たあとに肉を食べるのをやめたという人に10人会いました。今まで観たなかで最高のハッピーエンドだと言ったジャーナリストもいましたね。この映画が気に入らなくても…まぁ気に入ってくれていると嬉しいですが、どうであっても、それぞれが私が思いつかなかったような異なる解釈をしているのはとても嬉しく思います。

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