第95回アカデミー賞の主演女優賞に『To Leslie(原題)』のアンドレア・ライズボローが“サプライズ選出”されたことを受けて、同アワードを主催する映画芸術科学アカデミーが売り込み活動の際にルール違反がなかったか検証することを発表した。(フロントロウ編集部)

アンドレアのノミネートが「取り消し」になる可能性は?

 ちなみに、もしアンドレアが行なった草の根活動が、投票のためのロビー活動を禁じる既存のルールに違反していると判断された場合、ノミネートが「取り消し」になることはあるのだろうか?

 ルール違反で映画やアーティストが失格になったのは、アカデミー賞の95年間の歴史でたった9回。たとえば2014年、当時アカデミー音楽部門の執行委員だったブルース・ブロートンは、『Alone Yet Not Alone(原題)』の挿入歌「Alone, Yet Not Alone」でアカデミー歌曲賞にノミネートされたが、自身の立場を利用して投票を働きかけていたことが発覚しノミネートが取り消された。

画像: アンドレアのノミネートが「取り消し」になる可能性は?

 問題は、アンドレアの俳優仲間たちのサポートが、アカデミーが禁止しているロビー活動にあたるかどうかだが、今のところアンドレアが規則に違反したという決定的な証拠はないことから、Varietyはノミネートが取り消される可能性はゼロではないが極めて低いとの見解を示している。

 ただし、Varietyはアンドレアたちが“抜け道”を利用したことは否めないとも指摘しており、「アカデミー会員9,579人のうち218人の票を獲得すればノミネートを確保することができる」という事実に着目したのではないかと推測。もし何もしなければ、次の授賞式シーズンには、多くの著名なスタジオや戦略家が同じ戦術を実行することが考えられるため、主催者が“抜け道”をふさぐために、今後、独自のルールをいくつか明確化することもあるかもしれないと予想している。

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