レオナルド・ディカプリオに即興で思い切りビンタして躍進のきっかけに
マーゴットは2008年から2010年にかけてオーストラリアの長寿番組『ネイバーズ』に出演して国内での人気を確立させると、アメリカに進出して、2011年〜2012年に放送された米ドラマ『PAN AM/パンナム』のローラ・キャメロン役で印象を残す。その後、2013年に公開された映画『アバウト・タイム ~愛おしい時間について~』でシャーロット役に抜擢されて、長編映画デビューを果たした。
そして、マーゴットがその名前をさらに広める大きなきっかけとなった作品が、同じく2013年に公開された、巨匠マーティン・スコセッシ監督最大のヒット作『ウルフ・オブ・ウォールストリート』。マーゴットは同作で、レオナルド・ディカプリオを誘惑するナオミを演じて、世界にインパクトを与えた。
マーゴットの出世作となった同作だが、なんと、彼女はオーディションのときにレオナルドを思い切りビンタするという荒技をやってのけて、ナオミ役をゲット。
マーゴットが2017年に米Time誌が選ぶ「最も影響力のある100人」に選出された際、スコセッシ監督は同誌に寄せた推薦文で、「彼女は『ウルフ・オブ・ウォールストリート』の役を最初のミーティングで手中に収めてみせました。レオナルド・ディカプリオに腕を振り上げて、いきなりビンタするという即興の演技で私たち全員を驚かせたのです」と撮影を振り返り、次のように賛辞を寄せた。「マーゴットはその存在からその行動まで、あらゆる点で驚異的であり、これからも永遠に私たちを驚かせてくれるでしょう」。
夫トム・アッカリーとの出会い
ちなみに、マーゴットが後に2016年に結婚することになる夫トム・アッカリーと出会ったのもこの頃。2013年に出演作『フランス組曲』(日本公開は2016年)の撮影に臨んでいたマーゴットは当時、セットでは俳優たちと一緒に過ごすよりも、クルーたちとよく一緒にいたそうで、その時に一緒にいた1人が、当時アシスタント・ディレクターを務めていたトムだった。
そして、『フランス組曲』でトムと並んでアシスタント・ディレクターを務めていたのがジョジ・マクナマラ。マーゴットは『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のUKプレミアをきっかけに、トムやジョジが拠点にしていたUKに引っ越し、彼らと一緒にシェアハウスで暮らすことを決断。その後、3人は2014年に、マーゴットの幼馴染であるソフィア・カーを含めた4人で制作会社LuckyChap Entertainmentを設立した。ちなみにシェアハウスで暮らし始めた当時は、3つのベッドが置かれた家にマーゴットを含めた7人で暮らしていたという。
交際をスタートさせた当初は、他のルームメイトたちに交際を秘密にしていたというマーゴットとトム。2人の交際が周りにバレてしまった後でも、グループの関係性に亀裂が入るようなことはなかったそうで、マーゴットは英The Guardianとのインタビューで当時をこう振り返っている。「(交際がバレた時には)みんな、『勘弁してよ! このグループが終わってしまう!』っていう感じだったんですけど、そうはなりませんでした。大丈夫だったんです」。
その後も友人たちとの共同生活は、2人が結婚する2016年まで続くことに。マーゴットいわく、むしろ結婚して2人で生活することになったときには違和感すらあったそうで、「ルームメイトから言われたんです。『結婚式を挙げたのだから、2人で暮らしなよ』って。正直、私たちはそんなこと考えてすらいませんでした。『え? 何で? 私たち2人だけで? 絶対変な感じになる』って思いました。それで、2人で暮らし始めたんですけど、最初は変な感じでしたね。悪くはなかったですけど。でも、大勢の人たちに囲まれていた環境が恋しかったです」と明かした。