同性婚を認めると「社会が変わってしまう」。岸田文雄首相の言葉が波紋を広げている。では、同性同士の結婚を認めた他の国では、合法化後に社会はどう変わったのか? 調べてみた。(フロントロウ編集部)

同性婚が合法化した後、異性愛者の結婚に変化はあった?

 同性婚が認められた国では、異性愛者の結婚生活に変化はあったのか?

画像: 同性婚が合法化した後、異性愛者の結婚に変化はあった?

 欧米で同性婚に反対する人たちの間では、同性婚を認めることが異性愛者に与える影響について、主に(1)結婚の価値が損なわれて離婚率が上がる、(2)結婚と子育てが切り離されて未婚の親が増える、(3)結婚と子育てが切り離されて子作りをする異性愛者が減るという主張があったが、多くのデータが同性婚が与える異性婚へのネガティブな影響を否定している

 例えばアメリカでは、同性婚の合法化後により離婚率が上がったというデータはない。アメリカでは2010年前後から離婚率が減少を続けており、2015年以降も下がり続け、2021年にも40年で最低レベルを更新したとボウリング・グリーン州立大学はしている。

 さらに世界的にも早い段階から同性カップルのパートナーシップ制度を導入したデンマーク、スウェーデン、ノルウェーなどの北欧諸国でも、制度導入が離婚率を押し上げたというデータも、未婚の親を増加させたというデータもなく、親子の絆の低下も認められなかったという研究結果を、マサチューセッツ大学の教授が発表している。

 「同性婚を認めると社会が変わってしまう」。確かにそう、でも悪い方向ではなく、社会は良い方向へと変わっていくのだ。2022年の参議院議員選挙で、Marriage For All Japanの質問に主要9政党のうち7党(公明、立民、維新、共産、れいわ、社民、N党)が「同性間で婚姻ができるようにするべきだ」と回答。自民と国民の2党がそうは答えず「その他」を選んだ。2023年4月には統一地方選が行なわれる。(フロントロウ編集部)

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