ワン・ダイレクションへの思いとソロ・キャリアにおける3つの転機
映画は2016年にワン・ダイレクションとしての活動休止を決断するところから幕を開けます。活動休止から7年目となるいま、ワン・ダイレクションはどんな意味を持っていますか?
すべてですよ。すべてです。本当に愛していましたし、今でも愛しています。あのような規模の活動の一員であることは、誇りでしかありません。本当に誇らしく思っています。バンドが活動していたときの僕らは、間違いなく最高にクールでしたから!
映画ではソロに乗り出してからの軌跡を見ることができますが、ソロ・アーティストとしてのキャリアを振り返ってみて、現時点までのターニングポイントを3つ挙げるとしたら、どの地点が思い浮かびますか?
おっと、壮大な質問ですね。直感で答えてみます。さあ、頭からどんな言葉が出てくるかな…。まずは、『Xファクター』に出演して、スティーヴ・アオキと一緒に初めて(ソロデビュー曲の「Just Hold On」を)パフォーマンスしたときですね。当時は個人的に辛い時期(※)で、かなり参ってしまっていて。なので、あのステージを終えたときには、恐怖が払拭されたような気がしました。あのときほど辛いパフォーマンスはなかったと思います。「自分はできるんだ」って、それも、極限の状況でもできるということを言い聞かせた瞬間でした。
※ルイは2016年12月10日にスティーヴ・アオキとコラボしたソロデビューシングル「Just Hold On」をリリースする直前の12月7日に、母ジョアンナが白血病で42歳という若さで亡くなるという悲劇を経験。『Xファクター』でのスティーヴとのステージは、母親が亡くなってから初めての公の場でのパフォーマンスだった。
それから、ファーストアルバム(『ウォールズ』)に収録されている「Walls」と「Kill My Mind」を書いたときも挙げたいですね。最初のアルバムでこの2曲を書いていなければ、(セカンドアルバムの)『フェイス・イン・ザ・フューチャー』は今のようにはなっていなかったと思います。この2曲は僕に自信をくれました。自分がやりたい音楽ができるという自信をくれたのです。
3つ目のターニングポイントは、去年までのツアーですね。『フェイス・イン・ザ・フューチャー』を挙げてもいいのですが、個人的にはツアーも自信になったと思っています。ツアーは大好きなのですが、長年、不安も感じていました。「自分のショーはどういう感じになるのだろう?」「自分1人でショーができるのだろうか?」みたいな不安です。なので、去年ツアーができたことは自信になりましたし、その自信を満たしてくれたのは、素晴らしいオーディエンスたちです。直近のターニングポイントを挙げるとしたら、そのときですね。
映画では、ワン・ダイレクションとしての活動を通じて成し遂げたことで、最も個人として誇りを持っていることにソングライティングを挙げています。ソロでのキャリアをスタートさせて7年目を迎えたいま、ソロ・アーティストとして誇りに感じているのはどんなことですか?
いくつかありますが、『フェイス・イン・ザ・フューチャー』は挙げたいですね。間違いなく、これは自分がずっと作りたいと思っていたようなアルバムです。ソロ・アーティストとして数年活動しているなかで、心から作りたいと思っていたものを作ることができたという、その達成感と言ったら。あれは心地よかったですね。
それから、ファンとの繋がりほど僕が誇りに思っているものはありません。アーティストなら誰しもが、ファンとの繋がりは特別なものだと言うと思いますし、きっとその通りなんでしょうけど、僕とファンとの繋がりは本当に特別なものです。ファンのなかには、ワン・ダイレクションとして活動していた頃から応援してくれている方々もいます。一緒に成長してきたようなものなんです。本当の意味での絆があります。その絆は僕自身と同じように、ファンも感じてくれているはずです。ショーではそういう絆が感じられます。