ハリー・スタイルズが約5年ぶりの来日公演を開催。開演前のSEでワン・ダイレクションの「Best Song Ever」が流れたときには大合唱が起きたが、ハリー・スタイルズにとって1Dとしての活動は、ソロとして世界的なポップスターになるまでのプロセスの最初のチャプターに過ぎなかった。彼が1Dという巨大すぎるグループを7年前に活動休止させたあとで、いかにここ日本においてソロでも愛される存在になったかということは、東京・有明アリーナにて開催された2日間にわたる公演を即完させたという事実が既に証明していたものの、ステージを観たら、ハリー・スタイルズというソロアーティストがスターたる理由は明らかだった。日本愛に満ちたMCも数多く披露された、3月24日に行なわれた1日目の模様をレポート。(フロントロウ編集部)

誰もが歌えたワン・ダイレクション「What Makes You Beautiful」

 そして、ハリーと言えば、“人に優しく”をモットーに掲げている彼の優しさがこれでもかと伝わってくる、温かみのある歌詞が歌われる楽曲も魅力的だが、MCの後で披露された「Matilda」も、そんなハリーの優しさが詰まった1曲。ハリーはここで、ステージから花道のほうへと移動して、「手放していいよ/知り合い全員を招待してパーティーを開いたっていい/君に愛を示し続けてくれる人たちと家族をつくったっていい」と、自分に愛情を注いでくれない人たちのもとからは離れてもいいと歌うこの楽曲をアコースティックで優しく歌い上げて、ファンに寄り添った。

画像: 3月24日の公演より。 ©️Lloyd Wakefield

3月24日の公演より。

©️Lloyd Wakefield

 そのまま花道に留まり、続けて披露されたのは「Little Freak」。ハリーはこれが「東京のホテルで書いた曲」であることを報告して、「ただ君について考えている」と繰り返し歌う、好きな人にひたすら思いを馳せるこの曲を歌い上げた。

 しっとりと2曲を歌い終えてステージのほうへと戻り、「お水お願いします」と律儀に日本語を話して水休憩を挟んだハリーは、ここから再びギアを上げる。続けて披露されたのは、「僕はぐるぐる回る 衛星/ここで回転しながら 君が引き寄せてくれるのを待ってる」と歌う「Satellite」で、歌詞に合わせるように飛び跳ねながら、文字通り衛星のように四方の観客に手を振った。

 観客たちとの交流を挟み、「Cinema」のパフォーマンスで「みんな、手をあげて」と促して会場を踊らせたハリーは、自身のモットー“人に優しく”がタイトルについた「Treat People With Kindness」を続けて披露。ちなみに、フロントロウ編集部は2日目となる25日のほうの公演も観賞したのだが、2日目でこの曲を披露した際には、すべての人への優しさを体現するように、観客から受け取ったレインボーフラッグを手に持って花道からステージへと駆け回り、LGBTQ+の人々を祝福してみせた。

 「Treat People With Kindness」で会場をピースフルな空間へと変えた後で、「歌詞を知っていたら、一緒に歌って」と間髪入れずに披露されたのは、楽曲紹介など不要な、誰もが知るワン・ダイレクションとしてのデビュー曲「What Makes You Beautiful」。2010年代の洋楽シーンを代表するアンセムであるこの曲では、当然のようにこの日一番の大合唱が起きて、ワン・ダイレクションというグループがいかにここ日本で愛されてきたかを実感することとなった。

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