ジョニー・デップがカンヌ映画祭に参加、一部で物議を醸す
フランスのカンヌで開幕した第76回カンヌ国際映画祭でオープニング作品に選ばれた、映画『Jeanne du Barry(原題)』にフランス国王のルイ15世役で出演する俳優のジョニー・デップが、共演者のピエール・リシャールやマイウェン監督らとレッドカーペットに姿を見せた。ただし、これまで幾度となく私生活の問題が取り沙汰されてきたジョニーの参加をめぐって、否定的な声もあがっている。
元妻で俳優のアンバー・ハードにDV(家庭内暴力)を告発されたジョニーは、2022年にアメリカで行われた名誉毀損裁判で勝訴し、最終的に示談が成立したが、2020年にイギリスで行われた名誉毀損裁判は敗訴したことから、いまだに彼をDV被害者だと擁護する支持派と、彼をDV加害者だと批判する反対派のあいだで意見が真っ二つに分かれている。そのため、ジョニーの出演作がオープニング作品に選ばれたことを一部で疑問視する声がある。また、カンヌ映画祭への抗議の意味を込めた「CannesYouNot」というハッシュタグも作られた。
なお、カンヌ国際映画祭の責任者、ティエリー・フレモー氏は、オープニング作品にジョニーの出演作『Jeanne du Barry』が含まれていることについての批判に、仏メディアのTeleramaを通じて次のようにコメントしている。
「アメリカでのジョニー・デップのイメージはよく知りません。真実を言うと、私の人生においてルールはひとつしかありません。それは、考える自由、言論の自由、そして法的な枠組みのなかで行動することです。もしジョニー・デップが映画出演を禁止されていたら、あるいは映画(ジョニーの出演作)が禁止されていたら、私たちはここでこの話をすることはなかったでしょう。マイウェンの作品(『Jeanne du Barry』)を見ましたが、コンペティション部門に入る可能性もありました。彼女は8人目の女性監督になるはずでした。この論争が起きたのは、カンヌで映画が発表された後です。というのも、ジョニーがフランスで映画を撮ったことを誰もが知っていたからです。彼女がなぜ彼を選んだのかはわかりませんが、それはマイウェンに聞くべき質問です。これ以上、私にお答えできることはありません。もしこの世界で、非常に注目された裁判(ジョニーとアンバーの裁判)にまったく興味がなかった人がいるとすれば、それは私です。(裁判の)内容も知りません。私が関心を持っているのは俳優としてのジョニー・デップです」