工場の清掃員から副社長にまで上り詰めた実話に基づくサクセスストーリーを描く映画『フレーミングホット!チートス物語』で映画監督デビューを果たしたエヴァ・ロンゴリアが、カンヌ国際映画祭のトークショーに登壇し、ハリウッドにおけるチャンスの不平等さを批判した。エヴァが評価する、最新の評価システム「インクルージョン・リスト」とは?(フロントロウ編集部)

“女性の数が2倍になった”は本当か? 新評価システム「Inclusion List」とは

画像: © Eva Longoria/Instagram

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 「ハリウッドが進歩的だというのは幻想です。現実には平等という点ではるかに遅れています」と指摘したエヴァは、ハリウッドが本当に進歩しているかどうかは、それをどのように計るかが重要だと考えているという。

 「スタジオやネットワークは、『カメラの後ろにいる女性の数を2倍に増やしました!』と自画自賛していますが、実際は1人から2人になっただけなのです。1人から2人になったのだから、『まあ確かに間違ってはいないけど、まだ2人しか女性を雇っていない』と思いますよね。だから、成功をどう評価するかは本当に重要なんです」

 そんなエヴァが多様性を促進する評価方法として賞賛するのが、南カリフォルニア大学でエンターテインメントにおける多様性と包摂を研究するシンクタンクであるAnnenberg Inclusion InitiativeとAdobe Foundationのコラボで5月に発表された、Inclusion List(インクルージョン・リスト)。

画像: © The Inclusion List/Instagram

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 このリストは、インクルージョンに関する独自の評価方法を用いて、どのスタジオや作品がインクルージョンに真剣に取り組み、業界を変える原動力となったかを、一般の人々に分かりやすく伝えることを目的としている。この日のイベントには、リストを作成したチームの中心人物であるステイシー・L・スミスも参加しており、インクルージョン・リストについて、「これは、ジェンダー、人種、民族、LGBTQ+、障害者、65歳以上という複数のカテゴリーにまたがる表現に関して、スクリーン上でうまくやっている人々を報いるため」だと明かし、「語られていない物語を映しているのか?そして、カメラの後ろで働いているのは誰なのか?」といった点に着目したと語った。

 エヴァも、「インクルージョンを(成功の)指標とするのはなる素晴らしいですよね。きちんとやっている人たちに拍手を送ることができるので」と評価した。

 エヴァが自分の家族に似たラテン系アメリカ人の感動的な物語を作ることにこだわったという『フレーミングホット!チートス物語』は、メキシコ系アメリカ人の両親のもとロサンゼルス東部で育ち、10代半ばで学校を中退したリチャード・モンタニェスが主人公。彼は、食品業界に衝撃を与え、世界的なムーブメントを巻き起こした「チートス Flamin'Hot 激辛チーズ味」を考案し、フリトレー工場の清掃員から副社長にまで上り詰めた。リチャード・モンタニェスの情熱と信念を胸に意志を貫く姿を描く感動の物語は6月9日(金)よりディズニープラスのスターで独占配信。(フロントロウ編集部)

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