―マシュー・ロペス監督について
ニコラス(ヘンリー王子):初めて映画を作る人と仕事をするのは、他人からの影響のせいで声を失っていないという意味で、いつもとても魅力的なことです。マシューの場合は、初日からそれが露骨に表れていたと思います。彼には強い意志と声があり、この映画で何をしたいのかを明確にわかっていた。それはジャンルに関係なく、私が惹かれる映画監督の魅力です。自信に満ち溢れ、強い声を持っている映画監督であれば、俳優として信頼し、一緒に旅に出ることができます。マシューには間違いなくそれがありました。それに、卓越したユーモアのセンスもね。
―ユマ・サーマンとの共演について
テイラー(アレックス):ユマは素晴らしい方です。初めて会った日、母子関係を築くためにハグしていいか尋ねたら、彼女はただ抱きしめてくれました。彼女はとても強い人で、そのエネルギーを撮影現場にもたらしてくれました。愛情深くもしっかりしていて、プロフェッショナルでありながら決して冷たくない彼女は、キャラクターに様々な深みを出してくれました。私は彼女の映画を見て育ったので、彼女とシーンを共有するなんて信じられないことです。彼女が持つ尊厳、優しさ、仕事への愛情に近づきたいと思いました。
首相主催の晩餐会を撮影したとき、おかしなことがあったんです。私のセリフはあと5~6行ほど残っていたのですが、目の端にユマと(英国首相役の)シャロン・D・クラークがモニターに近づいて撮影を見ているのが見えたんです。彼女たちが私を見ているのを見て、私は頭の中が真っ白になり、マシューにもう1テイクお願いしなければならなかった。素晴らしい俳優さんたちが自分の作品を見てくれていると思うと、信じられない経験だったからです。少し緊張しましたが、やりきりましたよ。
―映画が多様な観客にもたらすレプリゼンテーション(表象)について
ニコラス(ヘンリー王子):この業界はここ数年で大きく進歩しましたが、このような物語がスクリーンで描かれることが当たり前になりつつあることは大事です。この映画には、健全さがあり、感情的な核がある。私たちが知っているロマンティック・コメディの特徴をすべて備えている。この映画を見て、自分自身が何らかの形で表現されていたり、心に響いたりすることを期待しています。この映画にはたくさんの愛とたくさんのファンサービスが込められています。とても楽しい映画だと思うし、観ている人がそれを感じてくれたら嬉しいです。
テイラー(アレックス):トランス・コミュニティであれ、LGBTQコミュニティであれ、インド系コミュニティであれ、ペルシャ系コミュニティであれ、ラテン系コミュニティであれアメリカの大統領になりたがっている世界中の女性たちであれ、この映画にはたくさんのレプリゼンテーション(表象)があります。この映画では、すべてがしっくりくるし、複雑さや、『インクルーシブにやった私たちを見てください』という感じもしない。これは私たちの現実からそう遠くない現実なんです。本当にエキサイティングなことですよね。
カメラの前でも後ろでも、多様なジェンダー、セクシュアリティ、人種のレプリゼンテーションが見られることはこの映画の素晴らしいことです。これらの選択はすべて極めて意図的なものであると感じられ、この映画が持つビジビリティ(可視性)を考えると、ワクワクします。この映画を観た人が、自分とは違う人々への思いやりと、他の誰かの人生における自分の役割への理解を深めてくれることを願っています。もしあなたが登場人物に共感できなくても、もしかしたらあなたの人生には共感できる人がいて、この映画があなたの人間関係に優しさと理解をもたらす手助けになるかもしれない。全体として、この映画がセクシュアリティを超越したひねりの効いた古典的なラブストーリーであることを感じ取ってほしいです。
映画『赤と白とロイヤルブルー』はPrime Videoで8月11日(金・祝)独占配信開始。