子どものジェンダー・アイデンティティに関する誤認や陰謀論を含む考えをインタビューで露呈し、翌日に「この議題についてもっと学ぶつもりである」と謝罪したニーヨが、その謝罪は「広報のPCから」だったとして謝罪を撤回した。(フロントロウ編集部)

謝罪は「広報のPCから」投稿されたものだった

 日本時間8月5日にVladTVにて公開されたインタビューのなかで、生まれた時に割り当てられた性別とは異なる性自認を訴えた子どもを受け入れる親は“親失格”だという類の発言をして批判を受けたニーヨ。さらにインタビューの中では、“5~6歳の子どもに取り返りのつかない薬を処方したり手術をしている”という陰謀論を訴えたインタビュアーに同意していた。

 発言への批判を受けて翌6日にインスタグラムで「私の発言がいかに無神経で不快なものと解釈されたかは理解しています」と謝罪したニーヨだが、8日になって謝罪文を削除。インスタグラムに公開した動画にて、謝罪は「広報のPCから」投稿されたものだとして、「何よりもまず、私はこの件について意見を持っていることについて謝罪するつもりはありません」とコメント。「私の意見が誰かの気分を害したのなら、ええ、もちろん気分を害されたことをお詫びします。私の意図は誰かを怒らせることではありませんから。とはいえ、私には自分がどう感じるかを感じる権利があります。あなたがどう感じる権利があるのと同じように」と続けた。

 “あくまで自分の意見”や“みんなに意見を持つ権利がある”というのは、人種差別主義者がよく使う論法。表現の自由は社会で守られるべき大事な権利で、異なる意見や価値観は尊重されるべきだが、アメリカの著名な公民権活動家ジェイムズ・ボールドウィンが「あなたの異なる意見が、私の抑圧や私の人間性や存在する権利の否定に根ざしていない限りは、私たちは意見を異にすることができる」と言ったように、差別・偏見やそれを助長する発言は意見の相違で片づけて良いことではない。

 ジェンダー移行の経験は個々で異なるが、アメリカでは小児科学会や内分泌学会のガイドラインのもと、その子とその年齢に適したケアが提供されている。しかし保守派の先導によって、SNS上では恐怖を煽る誤情報が拡散されており、その結果、主要な医療機関の反対を無視して、保守的な州の多くでトランスの子どもたちが必要とするケアを制限する法律が制定され続けている。

This article is a sponsored article by
''.