初来日したスウェーデン出身のプロデューサー・デュオ、NOTD(ノーテッド)の2人にインタビュー! 日本よりシンガーソングライターの由薫を迎えて「AM:PM (YU-KA VERSION) 」をリリースしたり、世界初のCD作品となる『NOTED... [Japan Edition]』を日本でリリースしたりしてきた2人は、こうして来日することが夢だったと話してくれた。東京と京都での初来日公演が即完するなど、既に日本でもファンベースを確立しつつある2人について、今のうちに押さえておきたい12のポイントをまとめた。(フロントロウ編集部)

初来日したNOTD(ノーテッド)にインタビュー

1. 『ミッドサマー』の国からやってきたダンス好きの2人

 いずれもスウェーデン出身のトビアス(トビー)・ダニエルソンサミュエル(サム)・ブラントからなるプロデューサー・デュオであるNOTD(ノーテッド)。スウェーデンといえば、アヴィーチーやスウェディッシュ・ハウス・マフィア、アレッソなど、多くのダンスミュージック系のアーティストを生み出してきた“ダンス大国”だが、NOTDもまた、彼らの系譜に連なるアーティストの1組。

画像: トビアス・ダニエルソン(左)とサミュエル・ブラント(右)によるデュオであるNOTD。

トビアス・ダニエルソン(左)とサミュエル・ブラント(右)によるデュオであるNOTD。

 なぜスウェーデンという国は、こんなにも多くのダンスミュージック系のアーティストを輩出できるのだろうか? 2人に訊いてみると、「スウェーデンでは多くの人たちがアップテンポな音楽を好んで聴いているというのと、そもそもスウェーデンでは多くの人たちが自分で楽曲を作っているというのもあると思います。冬は極寒なので、音楽を作る以外に何もすることがないんですよ」とトビー。

 スウェーデンを舞台にした、カルト的な人気を誇るアリ・アスター監督によるホラー映画を持ち出しながら、次のように続けた。「『ミッドサマー』を観ていたらわかってもらえると思うのですが、お祝い事も大好きですし、とにかく踊るのが大好きなんですよ(笑)」


2. アヴィーチーに憧れて楽曲制作の道に

 インタビューの翌日に東京で行なった初来日公演のステージでもギターを披露するなど、ロックにもルーツを持つ2人だが、2人が現在のような形でのアーティスト活動を志すようになったのは、母国の偉大な先輩である今は亡きアヴィーチーの音楽に魅了されたことがきっかけ。

 「7歳の頃からギターを弾くようになって、そのころはガンズ・アンド・ローゼズなどロックバンドをよく聴いていました。それから13歳か14歳の頃にアヴィーチーの音楽に出会い、ハウスミュージックに魅了されました。楽曲制作を始めたのもその頃です」と、サムが幼少期に影響を受けたアーティストについて話すと、トビーも次のように教えてくれた。

画像1: 初来日したNOTD(ノーテッド)にインタビュー

 「14歳の頃くらいから楽曲制作を始めて、ギターもその頃か、15歳の頃くらいかな弾くようになりました。当時最も影響を受けたのはアヴィーチーやマーティン・ギャリックスですね」


3. SoundCloudで出会い高校で運命的な対面

 そんな、共に10代の半ばから楽曲制作を始めた2人の出会いは、SoundCloudでメッセージを送ったことがきっかけという、実に現代的なもの。「僕もトビーもそれぞれでSoundCloudに音楽をアップしていて、そのときに僕がトビーの音楽を見つけて、すごく良いなと思ったんです。それで彼に連絡をして、良かったら一緒にやらないかって誘ってみたというのがきっかけでした」とサムはトビーとの出会いについて語る。

 2人は最初から相思相愛だったといい、トビーも、サムの音楽を初めて聴いたときのインパクトを「衝撃的でしたよ。本当に素晴らしいと思いましたし、自分との繋がりをすごく感じました」と振り返る。「それで、そこからよく話すようになりました」とサムが続けた。

 しばらくはオンライン上でのコミュニケーションが続いた2人だったが、サムが高校に進学するタイミングで、運命の巡り合わせが。なんと、サムが入学しようとした高校に、偶然、サムが既に通っていたことが判明したのだという。「高校に進学するとき、僕は自宅から5時間かかる高校に通おうと考えていたのですが、そうしたら、実はその高校にトビーが通っていたことを知って。その1年後くらいに僕もそっちへ引っ越して、そこから一緒に音楽を作るようになりました」とサムは振り返った。


4. 楽曲は思いついた側が先に作り始めるスタイル

 お互いの音楽性に惹かれ合い、コンビを結成した2人。お互いのことは今はどう思っているのだろうか? “お互いをそれぞれ3つの形容詞で表現してください”とお願いすると、「サムは“genius(天才)”で、“talented(才能がある)”で、“kind(親切)”だね」とトビー。

 “天才”と褒められたサムは照れ笑いを浮かべながらも、トビーのことを「“funny(面白い)”で、“spontaneous(自発的)”で、“talented(才能がある)”」と紹介してくれた。

画像2: 初来日したNOTD(ノーテッド)にインタビュー

 2人ともがそれぞれに共通してつけた形容詞が、“talented(才能がある)”。お互いがそれぞれの才能を信頼しているからこそ、楽曲制作では、役割分担を決めてそれに専念するのではなく、思いついた方が楽曲を作り始めるという手法を採用している。

 「最初の頃は、トビーがヴァースの部分を作って、僕がドロップの部分を作るという感じだったのですが、今ではお互いがその時々で思いついた箇所をそれぞれ作るという感じになっていますね」とサムが話すと、トビーは次のように応じた。

 「うん、楽曲ごとに違いますね。インスピレーションを得た側が最初に取り掛かり始めて、そのプロジェクトをもう一方に送って、そこからそのもう一方が続きに取り掛かっていくという感じです。楽曲を送り合いながら作業を進めています」

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