モアイ像の島にCIA工作員が二人。『ワイルド・ホース・ナイン』2027年日本公開


『スリー・ビルボード』『イニシェリン島の精霊』のマーティン・マクドナー監督の最新作『ワイルド・ホース・ナイン』が、第83回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門への出品とワールドプレミア開催を発表した。日本公開は2027年。舞台は、1973年のイースター島だという。(フロントロウ編集部)
舞台はイースター島、時はクーデター直前のチリ
配給のウォルト・ディズニー・ジャパンによると、その設定がなかなか尋常ではない。舞台は、モアイ像で知られる絶海の孤島イースター島(ラパ・ヌイ)。時代は1973年、チリでクーデターが起きる直前だ。
CIAの局長MJ(スティーヴ・ブシェミ)の命令を受け、エージェントのクリス(ジョン・マルコヴィッチ)とリー(サム・ロックウェル)が、チリの首都サンティアゴから島へと派遣される。長年コンビを組んできた二人は、巨大な石像に囲まれながら、自分たちの重い過去と、いま進行している陰謀の両方に向き合うことになる。
そこにもうひとつ、線が引かれる。クリスが反権力派の学生二人(マリアナ・ディ・ジローラモ、アイリン・サラス)と新たな絆を築いたことで、この“楽園”への旅は誰も予想しない方向へ転がっていく。政治スリラーの骨格に、マクドナーらしい可笑しみと不穏さが同居する——そんな輪郭が、あらすじの段階から透けて見える。

マルコヴィッチとロックウェル、そこにブシェミとトム・ウェイツ
キャスト表が、そのまま本作の見せ場を予告している。2度のアカデミー賞ノミネートを誇るジョン・マルコヴィッチと、『スリー・ビルボード』で同賞の助演男優賞を受賞したサム・ロックウェルがコンビを演じ、その上司役に個性派の代名詞スティーヴ・ブシェミ。
さらに、熱狂的なファンを持つミュージシャンでありながらジム・ジャームッシュ作品の常連俳優としても知られるトム・ウェイツと、90年代のリチャード・リンクレイター、ハル・ハートリー、グレッグ・アラキ作品のヒロインとして“インディペンデント映画の女王”と呼ばれたパーカー・ポージーが名を連ねる。南米を代表する名優マリアナ・ディ・ジローラモとアイリン・サラスも参加し、アメリカとチリの俳優が同じ画面に立つ布陣になった。

ヴェネチアは、マクドナーにとって縁起がいい
マクドナー監督にとって、サーチライト・ピクチャーズとオリジナル脚本&監督で組むのはこれで3度目。そして今回のワールドプレミアの舞台となるヴェネチアは、彼にとって相性のいい場所だ。過去には2作品連続で最優秀脚本賞を受賞しており、『イニシェリン島の精霊』では主演のコリン・ファレルが男優賞(ヴォルピ杯)に輝いて、そのまま賞レースのフロントランナーへと押し出された。
出品とワールドプレミア上映が発表されたのは、現地時間7月23日。第83回ヴェネチア国際映画祭は9月2日から9月12日まで開催される。孤島に置かれたCIAの二人が批評家たちにどう迎えられるのか、答えは秋の初めに出る。北米公開は2026年11月6日、日本公開は2027年の予定だ。














