作品名を聞く前に決めていた。マット・デイモンと『オデュッセイア』


クリストファー・ノーラン監督最新作『オデュッセイア』から、キャスト陣とノーラン監督の証言を集めた特別映像「英雄の旅」が解禁。マット・デイモンが明かした出演決定の瞬間が、この超大作の熱量を物語っている。(フロントロウ編集部)
タイトルを聞く前に、引き受けていた
9月11日の日本公開に向けて、IMAX版だけが9月4日から先行上映されることが決まったのが今月頭のこと。その発表からほどなく、今度は作品の内側を見せる特別映像「英雄の旅」が到着した。豪華キャスト陣とノーラン監督のインタビュー、そして貴重なメイキングを織り交ぜた映像だ。
主人公オデュッセウスを演じたマット・デイモンは、『インターステラー』『オッペンハイマー』に続く3度目のノーラン組。じつは彼、監督から連絡を受けた際、作品のタイトルを聞く前にオファーを受けると即決していたという。信頼というより、もはや反射に近い。
その判断の正しさは、現場のスケールが証明した。デイモンは映像のなかで「これほど大規模の作品は僕自身も初めてだと思う。野望は間違いなく最大だ」と語っている。
映像に映し出されるのは、荒波が打ち寄せる海岸で巨大な「トロイの木馬」を曳く人々の姿や、荒れ狂う海へ船を漕ぎ出すオデュッセウスと兵士たち。長編映画史上初となる全編IMAXフィルムカメラ撮影、世界6か国でのロケーション撮影という“リアルの極致”が、そのまま画面に出ている。
壮大なセットの真ん中で「アクション!」と声を張るノーラン監督は、本作を「壮大な物語だ。物語も1つだけじゃない」と表現。帰還の物語でありながら複数のジャンルにまたがっていると説明し、映像化で楽しみだったのは常識を超えたアイデアの数々をいかに現実的に見せるかだった、と手ごたえを口にしている。

「人類が生み出した傑作の1つ」
夫の帰還を信じて待ち続ける妻ペネロペを演じたアン・ハサウェイは、本作を「人類が生み出した傑作の1つだと思う」と力強く言い切った。

オデュッセウスの忠実な部下であり話好きの友人でもある豚飼いエウマイオスを演じたのは、ジョン・レグイザモ。彼は「『オデュッセイア』はすべての物語の原点だ。英雄譚はここから生まれた」と語り、家族のために苦難を乗り越えていく姿は見る人の心の奥底に響くはずだと続けた。

女神アテナに扮したゼンデイヤは、規模の大きさと感情の生々しさが同居している点に触れ、「没入しつつも自分を投影できる」とコメント。王の不在に乗じて王位とペネロペを狙う求婚者アンティノオス役のロバート・パティンソン、旅の途中でオデュッセウスを引き留める女神カリュプソ役のシャーリーズ・セロンら、脇を固める顔ぶれも全員が主演級だ。
『ダークナイト ライジング』を超えた
数字のほうも、すでに歴史を書き換えている。全米初登場1位から2週連続で首位を守り、米Box Office Mojoの集計によると、8月9日には全世界興収が11億480万ドル(約1,860億円)に到達。『ダークナイト ライジング』を上回り、ノーラン作品史上1位となった(2026年8月10日時点)。
なかでも際立つのがIMAX興収で、2億8,900万ドル(約476億8,500万円)は『アバター』を超えるIMAX史上最高の数字だという(2026年8月10日 IMAX Corporation調べ)。フィルムで撮り、大きなスクリーンで見せるというノーランの主張が、そのまま興行成績として返ってきたかたちだ。
172分の『オデュッセイア』は9月11日(金)全国ロードショー。IMAX先行上映は9月4日(金)から10日(木)まで。2D、IMAX、Dolby Cinema、4DX、MX4D、35mmの全6種9バージョンで公開される。どの席で”帰るべき場所”を問われるかは、見る側に委ねられている。
















