カナダの片田舎にひとりで暮らす90歳の女性を、姪である監督が6年以上にわたって記録したドキュメンタリー映画『Agatha’s Almanac』が、邦題『アガサのこよみ』として2027年2月に日本公開されることが決まった。あわせてポスタービジュアルが解禁されている。(フロントロウ編集部)
スイカの見分け方、粘着テープで家を直すコツ
舞台は、雄大な自然が広がるカナダ・マニトバ州。撮影当時90歳だったアガサ・ボックは、この地でひとり暮らしている。熟れたスイカを見分ける彼女なりの方法、粘着テープで家を補修するコツ——。移りゆく季節と歩調を合わせ、自然と共存するなかで身につけた知恵とともに生きるその姿は、清々しいほどにたくましい。
「偽りの愛より独身がいい」。生涯独身を貫きながらも、少しずつ語られるのは若き日の恋や家族の記憶だ。長い歴史とともに人生を力強く歩んできたアガサの姿は、見る者それぞれに“祖母との記憶”を呼び起こす。
年に1、2度の訪問を6年以上。コロナ禍は電話の録音で
監督を務めたのは、アガサの姪にあたるアマリー・アトキンス。2019年に撮影をスタートさせ、年に1、2度ほどアガサの自宅を訪れ、コロナ禍では電話を通しての録音も取り入れながら、6年以上にわたって彼女の姿を追い続けた。
ひとりの女性の人生を映画の中心に据えるため、アトキンスは女性だけのクルーで撮影を決行。全編16mmのフィルムで撮影された本作について、アトキンスは「どんな時も自分のスタイルを崩さず、信念を曲げずに生きる伯母の生き方そのものが映画的だと感じていた」と振り返っている。そのフィルムの至るところに、伯母アガサに対する尊敬の念がにじむ。

タイトルロゴは、刺繍作家がひと針ずつ縫い上げた
解禁されたポスターは、アガサの色とりどりの日々を切り取った一枚だ。庭仕事に料理、そしてお気に入りのファッション。当たり前のように過ぎていく日常の営みを、自分らしい彩りで楽しみながら、自由気ままに暮らしていく——そんな彼女の何気ない毎日が、カラフルでポップなビジュアルに落とし込まれている。
添えられたキャッチコピーは<季節は巡る。ずっとひとり暮らし。日常はささやかな喜びに満ちている。>。タイトルロゴは、映画にまつわる刺繍「シネマ刺繍」を手がける刺繍作家・鈴木里実が、手刺繍でひと針ずつ丁寧に縫い上げたものだ。
本作は2025年のHot Docsカナダ国際ドキュメンタリー映画祭で最優秀カナダ映画長編ドキュメンタリー賞を受賞したほか、2025年デヴァー!フード・フィルム・フェストの最優秀長編ドキュメンタリー賞、2025年ウィスラー映画祭のワールド・ドキュメンタリー賞、2026年ブダペスト国際ドキュメンタリー映画祭の審査員特別賞を受賞。2025年CPH:DOXコンペティションにも出品され、2025年トロント映画祭のプログラマーが選ぶカナダ映画TOP10には、ドキュメンタリー映画で唯一選出された。
映画『アガサのこよみ』は、2027年2月よりYEBISU GARDEN CINEMA、ヒューマントラストシネマ有楽町、UPLINK 吉祥寺、Stranger、伏見ミリオン座、テアトル梅田、シネ・リーブル神戸、京都シネマ、塩尻・東座ほか全国順次ロードショー。
■CREDIT 監督・脚本・編集:アマリー・アトキンス 出演:アガサ・ボック 2025年/カナダ映画/英語/86分/原題:Agatha’s Almanac/日本語字幕:横井和子/タイトルロゴ刺繍:鈴木里実/配給:ドマ/宣伝:VALERIA/後援:カナダ大使館/文部科学省選定(青年向き、成人向き)

















