金城武が7年ぶりに主演した香港映画『風林火山』が、12月11日に日本で公開されることが決まった。雪に覆われた香港を舞台にしたクライムアクションで、音楽は坂本龍一が手がけている。日本版ビジュアルと海外版予告もあわせて公開された。(フロントロウ編集部)
雪の降る香港で、麻薬組織の跡を継ぐ
物語の舞台は、ディストピアと化し、ネオンの光る銀世界となった香港。武装集団による大量殺戮とビルの爆破事件が起き、その犠牲者のなかに、さまざまな産業にまたがる帝国を築いた実業家の李珀山(レイ・パクサン)がいた。表の顔の裏で、彼こそが巨大な麻薬組織を支配する黒幕だった。
金城武が演じるのは、その息子の李霧童(レイ・モウトン)。父の死によって一族の後継者となった彼は、恋人との間に新しい命が生まれようとしていることをきっかけに、一族が受け継いできた犯罪の歴史に終止符を打とうと決意する。しかし、逃亡中の兄や、亡き家長に忠誠を誓う側近たちが、その前に立ちはだかる。
海外版予告では、一族の跡取りとなった李霧童を中心に、麻薬組織を追う警察、闇に染まった麻薬取締官、指令を受けた殺し屋たちによる四つ巴の戦いが映し出される。色彩を極限まで落とした退廃的な映像と、容赦のないアクションが見どころだ。
香港のスターと坂本龍一の音楽
金城武は、ブレイクのきっかけとなったウォン・カーウァイ監督作品のリバイバル上映によって、日本でもふたたび注目を集めている。今作では、心の奥底に野望を秘めたミステリアスな主人公にふんした。
共演陣も豪華だ。殺し屋集団「清掃人」のリーダーを演じるのは、日本でも異例のヒットとなった『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』のルイス・クー。爆破事件の捜査の指揮を執る元警察総警司役に『愛人/ラマン』のレオン・カーフェイ、難病の娘の治療費を稼ぐため、密売人から麻薬を横取りして売りさばく麻薬取締部の総警司役に、香港電影金像獎で最優秀主演男優賞の最多ノミネート記録を持つラウ・チンワンがそろった。李霧童の恋人で心理療法士の劉思欣(ラウ・シーヤン)はカオ・ユアンユアンが演じる。
監督は、歌手や俳優として活躍したのち、清水崇監督がプロデュースした『キョンシー』で監督デビューしたジュノ・マック。音楽は坂本龍一とネイト・コネリーが担当し、坂本は今作の音楽で第44回香港電影金像獎の最優秀オリジナル映画音楽賞を受賞している。
構想10年、撮影日数は142日間。2025年のカンヌ国際映画祭ミッドナイト・スクリーニング部門でワールドプレミアを迎えた作品が、撮影開始から9年を経て日本にやってくる。
雪が降って見えるクリアファイル
日本版ビジュアルは、雪の降る香港の街並みを背景に、李霧童を中心として、それぞれに思惑を秘めた登場人物たちを配したもの。モノクロのデザインのなかで、火花の赤色だけが鮮やかに浮かび上がる。
ムビチケ前売券(カード/オンライン)は、9月18日に発売される。価格は一般1,600円(税込)で、海外版のビジュアルを使った限定デザインだ。カード券には特典として「銀世界マジッククリアファイル」が付く。夫婦役を演じた金城武とカオ・ユアンユアンが表と裏に描かれており、中に白い紙を入れると、劇中のように香港の街に雪が降っているように見える仕様になっている。
映画『風林火山』は、12月11日から全国公開。
10月8日、日本版予告と主要キャラクター5人の場面写真が公開
10月8日には日本版予告が公開された。映像は、裏社会を陰で操る一族の跡取り息子・李霧童が、裏稼業から足を洗おうと動き出す場面から始まる。その行く手を阻むように、香港の裏社会と表社会に生きる者たちの運命が交錯し、やがて大きな抗争へとつながっていく。雪の降る香港の冷たい映像と、信念を貫いて戦う男たちの熱さの対比が際立つ仕上がりだ。
あわせて、メインキャラクター5人の場面写真も公開された。麻薬組織の跡継ぎ(金城武)、冷徹な殺し屋(ルイス・クー)、闇の麻薬取締官(ラウ・チンワン)、正義の警察(レオン・カーフェイ)、謎の多い女(カオ・ユアンユアン)が、それぞれの思惑を抱えて抗争に向かっていく。





10月11日、金城武53歳の誕生日に場面写真4点が公開
金城武の53歳の誕生日にあたる10月11日、李霧童(レイ・モウトン)にふんした場面写真4点が公開された。李霧童は、表向きは健全な商社を営みながら、裏で香港の麻薬取引を牛耳る一族の末息子。爆破事件で父が亡くなり、兄が警察に追われて逃亡しているため、実質的な後継者として裏稼業から足を洗おうとする。
主人公でありながら悪役でもあるこの役について、金城は「僕は、悪人にもそれぞれの物語があると思っています」と語る。麻薬組織の家に生まれたのは本人の選択ではなく、麻薬を嫌って一族を変えようとする一方で、自分の手は汚さずに人を動かす賢さも持っている。その矛盾に惹かれたという。


撮影でいちばん苦労したのは言葉だった。李霧童は外国語を操ってビジネスをする人物で、劇中にはイタリア語とスペイン語のセリフがある。金城は撮影のかなり前にセリフをもらって丸暗記し、あまり得意ではない広東語のセリフも同じように覚えた。単語の意味を一つずつインターネットで調べ、発音は言語の先生に教わりながら、役になじむ発音や話す速さを研究したという。


10月21日、ルイス・クー56歳の誕生日に場面写真が到着
10月21日、メインキャストのひとりルイス・クーが56歳の誕生日を迎え、それを記念した新しい場面写真3点が解禁された。クーが演じるのは、裏社会で動く孤高の殺し屋・程文星(チン・マンシン)。殺し屋集団「清掃員」のリーダーで、家族はなく天涯孤独。足を洗おうとする李霧童(金城武)に雇われ、麻薬組織と警察の抗争に巻き込まれていく。『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』では情に厚い“龍兄貴”を演じたが、今回は口数が少ないまま、はぐれ者ぞろいの仲間たちを気遣う役どころだ。


アクションの多い役だが、クーがいちばんつらかったと振り返るのは寒さだった。「真冬の韓国で撮影を行ったのですが、マイナス20度や30度にも達する極寒でした。スタッフも大変でしたが、撮影機材までもが次々と故障しました」と明かし、俳優人生でも指折りの過酷な撮影だったと語っている。




















