テレビ界のアカデミー賞と呼ばれる第78回エミー賞の授賞式が、米時間9月14日にロサンゼルスのピーコック・シアターで開催された。司会は『LAW & ORDER:性犯罪特捜班』で知られる女優のマリスカ・ハージティ。ドラマ部門は『ザ・ピット/ピッツバーグ救急医療室』が2年連続の作品賞に輝き、コメディ部門では今年配信が始まったばかりの『ウィドウズ・ベイ』が14冠を獲得した。主要部門の受賞結果と、受賞作を日本で見る方法をまとめてお届け。(フロントロウ編集部)
ドラマ部門は『ザ・ピット』が2連覇、個人賞は『プルリブス』へ
今年最多の25部門にノミネートさされていた医療ドラマ『ザ・ピット/ピッツバーグ救急医療室』は、シーズン2で作品賞を連覇。主演のノア・ワイルも2年連続で主演男優賞を受賞した。作品としては計7冠となり、リミテッド部門を制した『欲望のセントルイス』と並ぶ数字になっている。
一方、同作から複数名が名を連ねた助演の2部門は、いずれも受賞を逃した。助演女優賞は『ザ・ディプロマット』のアリソン・ジャネイ、助演男優賞は『TASK / タスク』のトム・ペルフリーの手に渡っている。
主演女優賞は、ヴィンス・ギリガンが企画・脚本・監督を手がける『プルリブス』のリア・シーホーンが受賞した。今回18部門にノミネートされた同作『プルリブス』で、リアは自身初のエミー賞を獲得。ヴィンスと組んだ『ベター・コール・ソウル』では2度ノミネートされながら受賞を逃していた。
ヴィンス自身も同作の脚本賞を受賞している。監督賞は『窓際のスパイ』のサウル・メッツスタインに贈られた。
コメディ部門:『ウィドウズ・ベイ』が史上最多の14冠
コメディ部門を席巻したのは、Apple TVのホラーコメディ『ウィドウズ・ベイ』。作品賞に加え、主演男優賞(マシュー・リス)、助演男優賞(スティーヴン・ルート)、助演女優賞(ケイト・オフリン)、監督賞(ヒロ・ムライ)、脚本賞(ケイティ・ディポルド)を独占し、先に行なわれたクリエイティブ・アーツ部門と合わせて計14冠。コメディシリーズの1シーズンとしては史上最多の受賞数となった。
コメディ部門の主演女優賞は、『Hacks』のジーン・スマートが受賞。一方、84歳にして初ノミネートと話題を集めた『シュリンキング』のハリソン・フォードは、受賞には届かなかった。
俳優マシュー・リスが史上初の快挙!
この夜の主役となったのが俳優マシュー・リス。『ウィドウズ・ベイ』でコメディ部門の主演男優賞を受賞した同じ夜に、『BEAST -私のなかの獣-』でリミテッド/アンソロジー部門の主演男優賞も獲得した。同じ年に異なる作品で主演男優賞を2つ受賞したのは、エミー賞史上初。さらに、2018年に『ジ・アメリカンズ』でドラマ部門主演男優賞を受賞しており、ドラマ、コメディ、リミテッド/アンソロジーの3部門すべてを制した初の俳優ともなった。
リミテッド部門:サリー・フィールドが19年ぶりのエミー像
リミテッド/アンソロジー部門の作品賞は『欲望のセントルイス』。同作はスティーヴン・コンラッドが監督賞と脚本賞を、デヴィッド・ハーバーが助演男優賞を、リンダ・カーデリーニが助演女優賞をそれぞれ受賞し、計7冠を積み上げた。
主演女優賞は、『親愛なる八本脚の友だち』のサリー・フィールド。2007年以来19年ぶりのエミー受賞となった。
バラエティとリアリティ部門
バラエティ・シリーズ部門は『ザ・レイトショー・ウィズ・スティーヴン・コルベア』が受賞。番組の終了が決まっている最終シーズンでの戴冠となった。リアリティ競技番組部門は『トレイターズ』が制している。
バラエティ・スペシャル(ライブ)部門では、バッド・バニーによるスーパーボウルのハーフタイムショーが受賞した。
クリエイティブ・アーツ部門の話題
授賞式は米時間9月5日・6日のクリエイティブ・アーツ部門と、9月14日の本式に分かれて行なわれた。クリエイティブ・アーツでは、昨年12月に亡くなったロブ・ライナーが『一流シェフのファミリーレストラン』シーズン4のゲスト出演でコメディ部門ゲスト男優賞を受賞。死後に演技でエミー賞を受賞するのは、1995年のラウル・フリア以来となった。また、ロブにとっては1978年以来48年ぶりの演技部門受賞となり、受賞間隔の最長記録を更新した。
配信サービス別では、日本のディズニープラスで配信されている作品が、クリエイティブ・アーツ部門で計12部門を獲得している。
主要部門 受賞一覧
以下は、テレビ芸術科学アカデミーの公式データベースと米ABC Newsが伝えた受賞一覧をもとにまとめたもの。
ドラマ部門
- 作品賞:『ザ・ピット/ピッツバーグ救急医療室』
- 主演男優賞:ノア・ワイル『ザ・ピット/ピッツバーグ救急医療室』
- 主演女優賞:リア・シーホーン『プルリブス』
- 助演男優賞:トム・ペルフリー『TASK / タスク』
- 助演女優賞:アリソン・ジャネイ『ザ・ディプロマット』
- 監督賞:サウル・メッツスタイン『窓際のスパイ』
- 脚本賞:ヴィンス・ギリガン『プルリブス』
コメディ部門
- 作品賞:『ウィドウズ・ベイ』
- 主演男優賞:マシュー・リス『ウィドウズ・ベイ』
- 主演女優賞:ジーン・スマート『Hacks』
- 助演男優賞:スティーヴン・ルート『ウィドウズ・ベイ』
- 助演女優賞:ケイト・オフリン『ウィドウズ・ベイ』
- 監督賞:ヒロ・ムライ『ウィドウズ・ベイ』
- 脚本賞:ケイティ・ディポルド『ウィドウズ・ベイ』
リミテッド/アンソロジー部門
- 作品賞:『欲望のセントルイス』
- 主演男優賞:マシュー・リス『BEAST -私のなかの獣-』
- 主演女優賞:サリー・フィールド『親愛なる八本脚の友だち』
- 助演男優賞:デヴィッド・ハーバー『欲望のセントルイス』
- 助演女優賞:リンダ・カーデリーニ『欲望のセントルイス』
- 監督賞・脚本賞:スティーヴン・コンラッド『欲望のセントルイス』
その他
- バラエティ・シリーズ部門:『ザ・レイトショー・ウィズ・スティーヴン・コルベア』
- リアリティ競技番組部門:『トレイターズ』
日本での配信は?
主要部門の受賞作のうち、日本での配信が確認できた作品をチェック。
『ザ・ピット/ピッツバーグ救急医療室』は、シーズン1・2ともにHBO Max on U-NEXTで独占配信中。シーズン2は全15話で、2026年1月から配信が始まっている。同じHBO作品の『欲望のセントルイス』『TASK / タスク』もU-NEXTで視聴できる。
コメディ部門を制した『ウィドウズ・ベイ』と、リア・シーホーンに主演女優賞をもたらした『プルリブス』は、いずれもApple TVで配信中。監督賞の『窓際のスパイ』も同じくApple TVで見られる。
Netflixでは、マシュー・リスの『BEAST -私のなかの獣-』と、サリー・フィールドの『親愛なる八本脚の友だち』、そしてアリソン・ジャネイの『ザ・ディプロマット』が配信されている。


















