日本時間の7月13日(金)、8月に発売される最新アルバム『スウィートナー』からの2曲目となるシングル曲「God Is A Woman / ゴッド・イズ・ア・ウーマン」をサプライズリリースしたアリアナ。 その翌日となる14日深夜、同曲のMVが公開された。
今作を手がけたのは、これまでにも数々の楽曲のMVでアリアナとタッグを組んできた敏腕映像クリエイターのデイヴ・メイヤーズ。
「これまでの歴史上における女性たちの描かれ方が気に食わなかった」という思いからメイヤーズ監督が発想した映像内には、同曲歌詞の一節にある「あなたは私に夢中で、私のことを愛しすぎて、神様は男性ではなく女性だと思い始めたでしょ」というフレーズにある通り、“神は女性”、“女性こそが神”とでも言うかのように、女性であるアリアナ自身を“神格化”したような、メッセージ性の強いシーンが盛りだくさん。
フロントロウでは、公開早々「アリアナ史上最もアーティスティックなMV」と評判となり、世間で「これって一体どういう意味?」と謎解き合戦が勃発している同作の印象的な10個のシーンをピックアップして独自に解説します!
シーン1:銀河系でフラフープ
地球の表面に立ったアリアナが、腰を揺らしながら銀河系をまるでフラフープのように回すシーンからMVがスタート。このシーンには、「宇宙を司っているのは女性」という壮大なメッセージが込められているように受け取れる。
シーン2:マーブル模様が浮かぶプール
巨大なプールに浮かび上がるピンク~紫色の絵の具を使ったマーブル模様は、引きの映像で見ると、なんと女性器を彷彿とさせる形になっている!
その中央に、全裸にボディペイントだけを施したアリアナが横たわるというなんともセクシーな様子は、同曲のカバー写真にも使われており、MV公開前から話題となっていた。
シーン3:泡だらけベッドの上を浮遊
ベッドの上で泡だらけになってもがき、溺れているかのように見える複数の男性たちの上を仰向けで浮遊するアリアナ。
シルエットだけながら官能的なこのシーンで、ベッドが置かれている何層もの空洞は、女性の子宮を表現しているようにも見える。
シーン4:罵詈雑言をぶつけられる巨大なアリアナ
白い高層ビルがひしめく背景の前に置かれた巨大な本の上に座ったアリアナが、小さな男性たちの集団に「BITCH(ビッチ/あばずれ)」、「FAKE(フェイク)」、「ANNOYING(ウザい)」、「LITTLE WHORE(小さな売女)」などの罵声を投げつけられるモノクロのシーン。怒りや憎しみを露わにする男性たちをアリアナは涼し気な表情で見下ろしている。
このアリアナの姿は、かの有名なロダン作のブロンズ像「考える人」にそっくりだとの声も。
シーン5:顔の無い女性たち
白いタンクトップを着て後ろを向いている長い髪の女性たちの群れに紛れ、アリアナ1人だけがカメラ目線で何かを訴えるように歌っているシーン。
この顔の無い女性たちの姿からは、「#Me Too」などのハッシュタグを掲げて男性たちの悪行を暴露した名も無き女性たちを連想させる。
シーン6:叫ぶモグラのような生き物
ひび割れた大地に開いた穴のなかから、モグラのような毛むくじゃらの生物が顔を出して「ギャーッ!」と絶叫。SNSユーザーたちの間では、この生物が「Mole Rat(メクラネズミ)」なのではないかという予想が多数。
「Mole Rat」は英語で年老いた男性の性器を意味することから、それを象徴しているのではないかとの見方もある。
シーン7:母になるアリアナ
水墨画と線画を組み合わせたようなタッチのシーンでは、草花に囲まれたアリアナのお腹が急に大きく膨らみ、妊娠姿になるという印象的な場面が。
ただ単に、女性の母性を表現したものなのか、コメディ俳優のピート・デヴィッドソンとのスピード婚約が話題となっているアリアナの妊娠願望を表しているのか、はたまた彼女がじつは妊娠しているということを暗示しているのではないかとの憶測も浮上している。
シーン8:お乳をあげるアリアナ
四つん這いになった巨大アリアナの下で3人の男性たちがミルクを飲む不思議なシーンは、ローマの建国神話に登場する双子の兄弟ロームルスとレムスの像にインスピレーションを得たものなのではないかとの説が。
ローマを建設したと伝えられているこの兄弟は、狼によって育てられたとされており、その姿を模して13世紀頃に作られた像が、アリアナのこのポーズの参照元となっているのではないかと写真を並べて比較するSNSユーザーもいる。
ちなみにアリアナがこのシーンで着用したヌードカラーのボディスーツには、ちゃんと6つのお乳を模したふくらみがついていた。
シーン9:「ガラスの天井」を破壊
猫耳ヘルメットをかぶり「POWER(権力・パワー)」と書かれた手袋を着けたアリアナが、ハンマーを放り投げて円形の建物のガラスの天井を打ち破るシーン。
「ガラスの天井」とは、ヒラリー・クリントン氏が大統領選中によく口にした「女性やマイノリティの昇進を妨げる見えない壁」を意味する言葉。アリアナはこれを打ち破ることで、より女性たちが力強く輝ける社会を目指そうと訴えている。
アリアナはインスタグラムを通じて「“ガラスの天井”を壊そうと日々奮闘している女神たちへ。これは、あなたたちのためのシーンよ。あたなたちを尊敬しているし、永遠にインスピレーションをもらっているわ」と世の女性たちにメッセージを送っていた。
シーン10:名作アートの登場人物の性別が逆転
「これどこかで見たことがある!」と人々を最もハッとさせたのは、女性たちを従えたアリアナが地上に座る1人の女性に向かって手を伸ばすシーン。
このシーンは、ルネサンス全盛期の芸術家ミケランジェロがヴァチカンのシスティーナ礼拝堂の天井に描いたフレスコ画の一部である『アダムの創造』に着想を得たもの。
旧約聖書の『創世記』に記された神が、最初の人類たる「アダム」(男性)に生命を吹き込む場面を表現しているとされている名作だが、アリアナのバージョンでは、アリアナ演じる神も、そして生命を吹き込まれる人物も女性に。この女性は『創世記』の中でアダムの相手として描かれている「イヴ」なのではないかと解釈する人も。
今回は10個のシーンにフォーカスしたけれど、アリアナの「God Is A Woman / ゴッド・イズ・ア・ウーマン」のMVは、観れば見るほど新たな発見があるだけに、今後もっと面白い秘密が見つかるかも! (フロントロウ編集部)