米人気アニメ『ザ・シンプソンズ』のクリエイター陣が、シンガーの故マイケル・ジャクソンが声の出演を果たしたエピソードを“排除”することを発表した。(フロントロウ編集部)

 1989年にアメリカ、FOXテレビで放送を開始して以来、世界各国で愛され続けている人気アニメ『ザ・シンプソンズ』。これまで30年間の歴史の中では、有名セレブやスポーツ選手らが登場するエピソードも数多く放送されてきた。

 “キング・オブ・ポップ”の称号で親しまれる故マイケル・ジャクソンもそんな同シリーズに声の出演を果たした著名人の1人。

 しかし、現地時間の今週、『ザ・シンプソンズ』の制作陣が1991年に放送されたマイケル出演エピソードを排除する意向を明らかにした。

 この決断は、1月にサンダンス映画祭で上映されたマイケルの児童虐待疑惑を追ったドキュメンタリー番組『リーヴィング・ネバーランド(LeavingNeverland)』が世間騒がせていることを受けて下されたもの。

 『リーヴィング・ネバーランド』には、子供の時にマイケルから性的虐待を受けたと訴える男性被害者2人の証言を中心に制作されたもので、そのあまりにも生々しく、耳を塞ぎたくなるような告発内容が物議を醸している。

 マイケルの死から10年以上が経ち、再び持ち上がった児童虐待疑惑のあまりにも大きな波紋を受け、『ザ・シンプソンズ』のクリエイターたちは、マイケルが1991年に出演した「Stark Raving Dad(スターク・レイヴィング・ダッド)」というエピソードを再放送やストリーミングサービス、そして今後発売予定のDVD・ブルーレイボックスからも排除することを決定。

 同エピソードでマイケルは、自分自身を大スターのマイケル・ジャクソンだと信じる男性の声を担当しているが、このエピソードは今後、マイケルの児童虐待疑惑が晴れない限り、お蔵入りすることとなる。

マイケルが自分をマイケル・ジャクソンだと信じる男レオン・コンパウスキーを演じたエピソードのワンシーン。マイケルは歌声も披露している。

 『リーヴィング・ネバーランド』の放送後、マイケルの遺族らは、同番組に登場した被害者たちの言い分を真っ向から否定。マイケルの無実を主張するとともに、「レガシーを傷つけられた」として番組制作者を相手取り、1億ドル(約110億円)もの損害賠償を求める訴えを起こしている。

 欧米では、今回の児童虐待疑惑の再燃を受けて、マイケルの音楽や関連作品の放送を自粛するラジオ局もちらほら。イギリス国内で最も人気と言われるラジオ局BBCRadio 2もマイケルの楽曲放送を取り下げたと報道されたが、これについては「事実では無い」と否定する声明を出している。(フロントロウ編集部)

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