スターバックスもMJの曲を排除
キング・オブ・ポップこと世界的ポップスターのマイケル・ジャクソンの死から今年で10年の時が過ぎようとするなか、再び世間を騒がせている彼の児童虐待疑惑。
被害者2人による告発をもとにマイケルの児童虐待疑惑を振り返るドキュメンタリー番組『リーヴィング・ネバーランド(Leaving Neverland)』が欧米諸国で放送されて大きな話題になっているなか、カナダとニュージーランドの複数のラジオ局がマイケルの楽曲を放送禁止に。大人気アニメ番組『ザ・シンプソンズ』は、マイケルが出演するエピソードを放送しないことを発表した。
また、シンガーのドレイクはマイケルの歌声が収録された楽曲をツアーのセットリストから外すなど、企業やアーティストによるマイケルの楽曲を排除する動きが広がっている。
こうした動きを受けて、世界的大手コーヒーショップであるスターバックスコーヒーも、マイケルの楽曲を流すことを禁止する措置をとった。
スターバックスは、店内で流すBGMを有料音楽ストリーミングサービスのSpotify(スポティファイ)に公開しており、そのプレイリストには現地時間13日まで、マイケルの楽曲が入っていた。
これを発見したあるツイッターユーザーが、スターバックスの米公式アカウントに「なぜ未だにマイケル・ジャクソンの曲が流れているの?」とクレーム。
これに対して米スターバックスが、「お知らせしてくれてありがとうございます。現在、スターバックスのSpotifyのプレイリストにはマイケル・ジャクソンの楽曲はありません」と返信して、マイケルの楽曲を排除したことを明かした。
マイケルの疑惑をめぐる賛否両論の声
マイケルの楽曲を排除したことを報告した米スターバックスのツイートには、賛否両論の意見が多数寄せされており、マイケルのファンからは今後一切スターバックスを利用しないとボイコット宣言するコメントも届いている。
レジェンドと称えられ、音楽史を変える多くの名曲を残したマイケル。人種の壁を取り払う音楽を作り、天才的な歌唱力と唯一無二のダンスパフォーマンスを融合させ、映像を駆使した音楽づくりをしてきたマイケルが、アーティストとして偉大なことは周知の事実。
加えて、マイケルは生前から疑われる児童虐待を一貫して否定しており、これまでに訴えられた裁判で有罪判決になったことは一度もない。
さらには同ドキュメンタリー映画で告発したジェームズ・セーフチャック(現在40歳)とウェイド・ロブソン(現在36歳)は、1993年の裁判でマイケルを擁護する証言をしたことがある人物だったことや、マイケルによる被害を疑われたことがある元天才子役のマコーレー・カルキンは疑惑を全否定していることから、マイケルの無実を信じる人も多い。
とはいえ、大物プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインが逮捕されたように、被害者の声を力にハラスメントを撲滅するMeTooのムーブメントによって、近年、今までもみ消されていた問題が表面化し、罪に問われるようになった。
社会全体として告発者を無視できない時代になった今、疑惑をかけられるアーティストの楽曲をめぐり企業やアーティストの間では自粛ムードが漂っている。(フロントロウ編集部)
※一部内容に誤りがあったため訂正いたしました。