新型コロナウイルスの感染拡大で、ビューティー業界にとっても激動の1年だった2020年。しかしコロナ禍においても、人々に美しさと自信をもたらしてくれる化粧品やコスメへの需要は衰えず、新たなニーズに応えるよう変化していった。今回は、そんな2020年に起きた“美容シーン”の出来事やトレンドを振り返る。(フロントロウ編集部)

1.ビューティー業界を震撼させた新型コロナウイルス

 未だ世界各地で猛威をふるう新型コロナウイルスの影響により、不況知らずだといわれてきたビューティ業界にも大きな打撃が。マスクで隠れる「口紅」や「チーク」などの売り上げは伸び悩み、化粧品の色味や使用感を試すタッチアップを自粛する動きが高まるなど、ビューティー業界にとっても2020年は大きな転換点となった。

画像: 1.ビューティー業界を震撼させた新型コロナウイルス

 一方で、そんな困難な状況においても、物流や医療など日常生活を送るうえで必要不可欠なサービスへ従事する労働者(エッセンシャル・ワーカー)に対し、100社を超える美容ブランドが金銭的支援や製品、食料などの寄付を実施。また、アルコール消毒液やハンドソープを無償で提供するなど、病院や医療現場への供給不足にも対応した。

 さらに、仕事の激減で経済的に窮地に立たされるフリーランスのメイクアップアーティストやヘアスタイリストに対し、美容インフルエンサーで実業家のフーダ・カタンが1,100万円以上を寄付するなど、業界全体で支え合う動きが見られた。

画像: フーダ・ビューティー(フーダ・ビューティー)の創業者、フーダ・カタン

フーダ・ビューティー(フーダ・ビューティー)の創業者、フーダ・カタン

2.人気セレブが次々と美容業界に進出

 2020年は、これまで以上に多くの人気セレブたちがビューティー業界に進出。立ち上げ前から話題になっていたセレーナ・ゴメスのメイクアップブランド「Rare Beauty」や、リアーナのスキンケアライン「Fenty Skin」は、コロナ禍にもかかわらず好調に売り上げを伸ばし、低迷するビューティ業界に活気をもたらした。

画像: 左:セレーナ・ゴメス、右:リアーナ

左:セレーナ・ゴメス、右:リアーナ

 ほかにも、アリシア・キースの「Keys Soul Care」、ジェニファー・ロペスの「JLO BEAUTY」、ファレル・ウィリアムスの「Humanrace」、ローレン・コンラッドの「Lauren Conrad Beauty」、クリスティン・ベルの「Happy Dance」など、多くのセレブたちがスキンケア、メイクアップ、ヘアケア、ボディケアの分野に進出している。

3.黒人コミュニティへの支持を表明

 黒人に対する暴力や差別の撤廃を訴える抗議運動「Black Live Matter/ブラック・ライヴズ・マター(黒人の命にも価値がある)」をきっかけに、ビューティー業界でも多くのブランドが黒人へのサポートを表明。

 なかでも注目を集めたのは、各コスメブランドに「黒人従業員」の人数や割合の開示を求める「Pull Up For Change(プルアップ・フォア・チェンジ)」という取り組み。雇用における人種間の不平等を意識してもらおうと、ウーマ・ビューティー(Uoma Beauty)の創業者であるシャロン・チューターが提案し、資生堂やエスティ ローダーなどの名だたるブランドが賛同。

画像: ウーマ・ビューティー(Uoma Beauty)の創業者、シャロン・チューター

ウーマ・ビューティー(Uoma Beauty)の創業者、シャロン・チューター

 実際に、コスメブランドを成功させた人気セレブのカイリー・ジェンナーも、自身が経営するカイリー・コスメティクス及びカイリー・スキン全社員の人種の割合を公表している。

4.TikTokでさまざまな美容テクが誕生

 メイクやヘアアレンジの動画といえば、今まではYoutubeやInstagramなどが主流だったけれど、コロナ禍をきっかけに、手軽に楽しめるショートムービープラットフォームのTikTok(ティックトック)の人気が急上昇。

画像: 4.TikTokでさまざまな美容テクが誕生

 メイク、スキンケア、ヘアアレンジなど、今まで以上にさまざまな美容テクニックが誕生した。しかし、目からウロコのメイク法もあれば、ちょっぴり危険なものまであるので、自分で試すときはしっかり見極める必要がありそう。

5.メイクは“オンライン映え”、“マスク映え”がトレンドに

 新型コロナウイルスの感染拡大を予防するため、世界各地で在宅勤務やリモートワーク、オンラインデートなどモニター越しのやりとりが急増。外出時もマスクの着用が推奨されることもあり、メイクにおいても“オンライン映え”“マスク映え”などのキーワードがトレンドに。

画像: 5.メイクは“オンライン映え”、“マスク映え”がトレンドに

 とくに、マスクから見える「目元」のメイクに力を入れる人が増えたことにより、目力アップを叶えるマスカラやアイライナー、オンラインでも映えるポップでカラフルな色合いのアイシャドウなど、メイク需要にも変化が見られた。

6.自宅がヘアサロン!自分で髪を切る、染める人が急増

 世界各地で大規模なロックダウンが行われたことにより、ヘアサロンや理髪店が相次いで休業。ヘアスタイリストたちも外出自粛を余儀なくされ、プロに頼ることができない状況が数ヶ月続いた。

画像: 6.自宅がヘアサロン!自分で髪を切る、染める人が急増

 そのため、自宅で家族に髪を切ってもらったり、キッチンの流し台で髪を染めたりする人が続出。プロのヘアスタイリストたちも、対面で顧客に会えないことを考慮し、リタッチカラーの仕方や前髪を切るコツなど、SNSを通してさまざまなテクニックをシェアした。

7.まさかの前髪ブームが到来

 コロナ禍のなか、外出自粛などのストレスで気分転換をしたい人が増えた影響からか、海外では「前髪」のあるヘアスタイルが一躍ブームに。

画像: 7.まさかの前髪ブームが到来

 2020年は、真ん中でカーテンのように分けられたレトロ可愛い「バルドー・バング」や、眉上で切りそろえた「ベビーバング」、軽やかな透け感がキュートな「シースルーバング」など数々の前髪スタイルが誕生。前髪なしのヘアスタイルが人気の欧米諸国で、新たなトレンドとして注目を集めている。

 ほかにも、オンラインでのショッピングの拡大やバーチャルタッチアップサービスなど、新たな局面へと突入するビューティー業界。今後どのように展開していくのか、ますます目が離せない。(フロントロウ編集部)

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