映画『ジャングル・クルーズ』が超好発進!
東京ディズニーランドにもある人気アトラクション「ジャングルクルーズ」をベースに、手にした者はあらゆる病気を治し、永遠の命を手にすると伝えられているアマゾンに眠る秘宝”不老不死の花”をめぐってドウェイン・ジョンソン演じるフランク船長とエミリー・ブラント演じるリリー・ホートン博士がスリルと興奮に満ちた冒険を繰り広げるスペクタクル・アドベンチャーの『ジャングルクルーズ』。
日本でも7月29日に劇場公開がスタートした同作は、公開後の週末3日間のアメリカ国内における興行収入が3420万ドル(約37億円)、その他海外での興行収入が2760万ドル(約30億円)とパンデミック禍で劇場公開されたファミリー向け作品の中で最も高い初動セールスを記録。
さらに、劇場公開の翌日からスタートしたディズニーの定額制動画配信サービス、ディズニープラス(Disney+)でのプレミアアクセス配信ではアメリカ国内だけでも77万7000世帯が視聴(※1)。3000万ドル(約32億円)相当の利益を生み出し(※2)、合計で9180万ドル、およそ100億円の収益をもたらした。
※1Samba TV調べ ※2 ディズニーによる発表
この記録は7月に劇場公開&ディズニープラスでの配信がスタートし、全世界での初動興行収入(※3)が2億1880万ドル(約238億円)を突破してパンデミック禍最大のヒット作となったスカーレット・ヨハンソン主演の『ブラック・ウィドウ』と比べると半分以下。
しかし、ディズニーの劇場配給部門のエグゼクティブ・バイス・プレジデントであるトニー・チャンバースは、『ジャングル・クルーズ』の成功を経て、あらためて、特にファミリー向け作品のディズニープラスでの配信は大きな収益につながると確信したことを米Deadlineに明かしている。
※3 初週末3日間/ディズニープラスでの利益6000万ドルを含む。
ドウェイン・ジョンソンは、ディズニーを訴えるつもりはない
『ブラック・ウィドウ』に主演したスカーレット・ヨハンソンは、劇場公開とほぼ同時にディズニープラスで配信されたことで大きな損失を被ったとしてウォルト・ディズニー・カンパニーを提訴。
ギャラに映画の興行収入に対する利益が含まれていたスカーレットは、当初自身が結んだ契約では、『ブラック・ウィドウ』はほかのMCU映画と同様に劇場公開のみとなるとされており、ディズニー側がその契約を破ったと主張。彼女が被った損失は5,000万ドル(約54億円)にのぼるといわれている。
これに対し、ディズニー側は、スカーレットの主張はパンデミックの長期化を無視した自己中心的なもので、追加報酬を得るためのものであると痛烈に批判。スカーレットの代理人は「彼らは、ヨハンソン氏が新型コロナウイルスという世界的パンデミックに対してあたかも無神経であるかのように、臆面もなく不当に非難しました。これは、彼女のイメージを彼らも私自身も知らない別の誰かかのように操作するためのものです」と徹底抗戦の構えを見せ、映画界を揺るがす一大騒動へと発展している。
そんな『ブラック・ウィドウ』の後に公開された『ジャングル・クルーズ』だけに、主演のドウェインがストリーミング配信をめぐってスカーレットと同様にディズニーに反旗をひるがえすことになるかどうかに注目が集まっているが、Deadlineはドウェインがスカーレットの後に続くことはないだろうと報道。
主演だけでなく『ジャングル・クルーズ』の製作にも携わり、自身が率いるセブン・バックス・プロダクションが共同プロデュースを手がけているドウェインは、ディズニーとがっちりと肩を組んで本作の公開&配信に臨んだ。さらに、ディズニーのテーマパークの裏側や秘話を特集したディズニープラスの新シリーズ『ディズニーパークの裏側 ~進化し続けるアトラクション~』の制作総指揮として参加しているため、波風を立てるようなことはしないだろうと予想されている。
ちなみに、海外批評サイト、ロッテン・トマト(Rotten Tomatoes)での『ジャングル・クルーズ』の一般視聴者による評価は93%とかなり高評価となっている。
エマ・ストーンは訴訟を検討?
パンデミック禍で劇場公開&ディズニープラスでプレミア配信された作品といえば5月に公開された映画『クルエラ』もその1つ。
同作に主演したエマ・ストーンは、スカーレットがディズニーを相手取って訴訟を起こしたことに影響を受け、法的措置を取ることを検討していると米Screen Rantが報じているが、本人からのアクションはまだない。(フロントロウ編集部)