絶大なる人気を誇るクリストファー・ノーラン監督
映画監督としてファンが非常に多い人物といえば、映画『メメント』や『ダークナイト』、『TENET テネット』を生み出してきたクリストファー・ノーラン監督のことを思い浮かべる人は多い。
SF作品が得意であり、その圧巻の映像は毎回鳥肌モノだが、そんな作品を生み出す監督の頭の中はどうなっているのか? どこからインスピレーションを得ているのか? そんな疑問は、創造性のある考え方をしたいと思っている人なら、頭に浮かんだことがあるはず。
インスピレーションというのは、どこにでも潜んでいるものではあるが、ノーラン監督が『インターステラー』を作るきっかけとなったのは、「音楽」だったよう。
ハンス・ジマーの音楽
ノーラン監督といえば、『ライオン・キング』や『ダ・ヴィンチ・コード』などの音楽を手掛けてきた作曲家のハンス・ジマーとタッグを組むことが多く、『ダークナイト』3部作や『インセプション』は、ハンスがその音楽を担当した。
そしてそんな彼の音楽が、ノーラン監督の創作欲求を刺激したよう。ハンスが、ポッドキャスト番組『Reelblend』で明かした。
「クリスは、脚本を書く前に、音楽を作ってほしいと頼んできたんだ。彼の顔を見ずに流した。(ポッドキャストの収録をしていた部屋の)後ろにソファが見えるだろう。彼はあそこに座っていた。だから私は彼に顔を向けていなかったんだけど、最後までいって、『どう思う?』と聞いたよ。すると彼は背中を後ろにもたれて、『う~ん。私は映画を作ったほうが良いみたいだね』って言った。だから『映画は何になる?』と聞いた。彼はそれまで、映画がどんな作品になるのかを絶対に私に話さなかったから」
ノーラン監督が『インターステラー』を作った理由には様々なものがあるだろうが、ハンスの音楽が最後の一押しになったよう。彼の人を動かすほどの音楽も、音楽から映画を紡ぎ出すノーラン監督の感性にも、憧れてしまう。
『TENET テネット』では、ハンスがドゥニ・ヴィルヌーヴ監督による『DUNE/デューン 砂の惑星』の音楽に取り掛かっていたため、ルドウィグ・ゴランソンが音楽を担当し、ノーラン監督の次回作『Oppenheimer(原題)』でも彼が起用された。
ノーラン監督とハンスが、今後ふたたび一緒に1つの作品を作るかどうかは不明だが、その再会は望まれている。
(フロントロウ編集部)