たんぱく質が足りないと起こること
炭水化物、脂質と並んで身体に欠かせない3大栄養素のひとつであるたんぱく質。そのイメージというと、なんとなく筋肉をつけるために必要なものという印象が強いけれど、じつは身体のありとあらゆる働きと関係していて、不足するとさまざまな不調や悩みの原因になりかねない。
では実際に不足するとどうなるのか、たんぱく質不足が招く不調や悩みを4つご紹介。
ダイエット効果が低下
たんぱく質が不足すると、さまざまな理由でダイエットの結果が出にくくなってしまう。
1つ目は、代謝が低下するから。テキサス大学オースティン校で栄養学の研究を行なう准教授のヘザー・レイディ博士は、「たんぱく質不足が続くと、身体の基礎代謝が低下するため、体重が減りにくくなります」と米Mind body greenで説明。代謝が落ちることで、運動や食事制限を頑張っても痩せにくい身体になってしまうという
2つ目は、満腹感を感じにくくなるから。レイディ博士は、「高たんぱくの食事には、満腹ホルモンの分泌を促す効果が期待できます。一方たんぱく質が不足していると、たくさん食べても満足しにくく、すぐにお腹が空いてしまうことがあるんです」と説明した。
3つ目は、脂肪ではなく筋肉が減るから。ウェイクフォレスト大学の健康と運動科学の准教授であるクリステン・ビーバーズ博士は、「たんぱく質が不足すると、脂肪ではなく筋肉から減少してしまいます」と米Eating wellで話し、ダイエットで贅肉などの脂肪を落としたくても、筋肉だけが落ちてしまうのだと明かした。
ダイエット中に高たんぱくの食事を摂るべきなのは、たんぱく質不足がここまで多くの理由でダイエットの邪魔になるからだったよう。
肌や髪、爪にも変化が
たんぱく質が不足すると、肌悩みが悪化しやすくなり、髪や爪がボロボロになることも。
栄養士のスーザン・グルーリー氏は、「たんぱく質は、コラーゲンを生成するのにも欠かせないため、不足すると肌のハリ不足や乾燥も招きかねないんです」と米Well+goodで説明。そして髪や爪もたんぱく質からつくられるため、足りていない状態が続くと、弱くなりやすいのだという。
さらに過度なたんぱく質不足が長期間続くことで、抜け毛の原因になってしまう恐れもあるそう。
すぐに疲れる
なんだかすぐに疲れる…と感じることが極端に多くなったときには、たんぱく質が不足しているサインかもしれない。
グルーリー氏は、「体にエネルギーを供給する役割を持つたんぱく質は、足りない状態が続くと脱力感と倦怠感を感じやすくなります」と話し、不足することで活力が失われやすくなると明かした。
不眠や気分の落ち込みも起こりやすくなる
たんぱく質が足りないことは、気分の落ち込みや睡眠の質の低下といった悩みの引き金にもなりかねないのだとか。
なぜならたんぱく質には、トリプトファンという物質が含まれているから。トリプトファンは、日中は別名幸せホルモンと呼ばれるセロトニンに変化し、夜になると睡眠を促すメラトニンに変化するという特徴を持っているため、このトリプトファンを取り入れられないことで、不安な気持ちが続いたり、睡眠の質が落ちやすくなったりするそう。
さまざまな不調を招くたんぱく質不足。ちなみに1日に必要なたんぱく質の量は、日々の運動量などによっても異なってくるので、気になる人はぜひチェックしてみて。(フロントロウ編集部)