キアヌ・リーブス、署名を捏造される
映画『マトリックス』や『ジョン・ウィック』、『コンスタンティン』などで知られるキアヌ・リーブスは、ハリウッドきっての愛され俳優。今でもなお主演作が多いのは、彼の実力もあれど、「観客はもちろんのこと、監督たちも彼が大好きで、共演者たちも彼が大好きで、スタッフたちも彼が大好きだから」だと関係者から言われるほどで、それは彼がファンやスタッフといった周囲の人々に謙虚で愛情深く接してきたからこそ。
そんなキアヌだが、その作品名が話しに出るたびに怒りを隠さないほどの嫌いな作品がある。それは、2000年公開の『ザ・ウォッチャー』。本作は、かなりの駄作として酷評されてきており、現時点でRottem Tomatoesでの評価はオーディエンススコアで28%、批評家のスコアで11%という、まれに見る低評価を記録している。
しかしキアヌが怒っているのは、作品の出来栄えではなく、彼の出演が“ハメられた”ものだから! 彼は2001年に、故郷カナダのCalgary Sunの取材でこう明かしている。
「あの脚本を面白いと思ったことはない。でも友人の1人が契約書で僕の署名を捏造したんだ。彼がそれをしたと証明できなかったし、(制作陣から)訴えられたくもなかった。だから僕には、あの映画をやる以外の選択肢はなかった」
キアヌが、彼の署名を捏造した人物と今でも友人であるかどうかは疑わしいところだが、人の署名を勝手に契約書に書くという犯罪行為をしてまでキアヌに出演させるとは、その人物は一体何を考えていたのか。しかも、キアヌはこの事実について映画の公開から1年間は話してはいけないという条件まで科されていたそうで、当時、「これが9月号ということなら、(映画公開から)1年が経ったということ。だから僕はやっと(その事実について)話せる」と吐露していた。
ちなみにキアヌは、『ザ・ウォッチャー』のプロモーションには一切参加することを拒んだ。
そして、彼の怒りは15年が経った時にも消えていなかった。2015年に映画『ノック・ノック』が公開された際に、『ザ・ウォッチャー』について、「あれは最悪だった。あの映画が大嫌いだ。酷いものだよ。悲惨だ」と、消えぬ怒りを口にしている。
(フロントロウ編集部)