ウィル・スミスが主演を務める映画『Emancipation(原題)』の公開が延期となる可能性が浮上していると米メディアが報じた。(フロントロウ編集部)

ウィル・スミス主演作『エマンシぺーション』が公開延期の可能性

 3月末に開催された第94回アカデミー賞で、プレゼンターとして登場したコメディアンのクリス・ロックが妻で俳優のジェイダ・ピンケット・スミスの坊主頭をジョークにしたことに激怒し、壇上につかつかと上がってクリスに平手打ちを食らわせるという前代未聞の行動に出た俳優のウィル・スミス

 この日、ウィルは映画『ドリーム・プラン』で演じたテニスプレーヤーのビーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹の父リチャード・ウィリアムズ役で最優秀主演男優賞を受賞するという悲願を達成したが、ビンタ事件を省みて謝罪するとともに、アカデミー賞の主催である映像科学アカデミーを自主退会。

 ウィルの行動については、世間では意見が二分しているが、その後、アカデミーは今後10年間ウィルを授賞式および同団体の関連イベントに出入り禁止とするという決断を発表した。

画像: ウィル・スミス主演作『エマンシぺーション』が公開延期の可能性

 今後の映画界におけるウィルの扱われ方が注目を集めるなか、2022年内の公開を予定していたアマゾンスタジオによる主演映画『Emancipation(原題/エマンシぺーション)』が2023年まで公開延期となる見込みだと米Varietyが独占で報じた。

アカデミー賞2年連続受賞が期待されていた作品

 ウィルが、これまで意図的に避けてきた黒人奴隷の役をキャリア史上初めて演じるアクションドラマ『Emancipation』は、1800年代の南部ルイジアナ州を舞台に奴隷としての過酷な生活から命からがら逃げだしたピーター(別名ゴードン)というアフリカ系アメリカ人男性の実話をもとにしたアクションスリラー。

 アマゾンスタジオにとっては、2021年のアカデミー賞で最優秀作品賞を受賞した『コーダ あいのうた』に続き、2022年のオスカー候補作となることが見込まれた肝入りの作品だと言われていた。

画像: アカデミー賞2年連続受賞が期待されていた作品

 しかし、スタジオの内部事情をよく知る関係者は、同作が2022年内に公開されないことは「暗黙の真実です」とVarietyに語っており、「スタジオ幹部たちと制作者のあいだでは秋公開の可能性が検討されていますが、非常に難しそうです」とも証言している。

 すでに仕上がっている『Emancipation』の一部を観たある映画製作者は、「ウィルは2年連続でアカデミー賞を取るかもしれません」と高く評価。ビンタ騒動によるアカデミー退会により、実際にウィルがノミネート&受賞を果たす可能性は極めて低いが、それだけ素晴らしい作品であることは確かなよう。

公開延期にはほかにも原因が

 『Emancipation』は2021年6月に米ジョージア州で撮影がスタートする予定だったが、黒人を主とするジョージア州の低所得者層の選挙への参加を困難にする「投票制限法」の可決を受け、ウィルとアントワーン・フークア監督が連名で声明を出し撮影地を別の場所に移すことを発表。その後、約19億円をかけてルイジアナ州ニューオリンズにロケ地を移し、7月から撮影が開始した。コロナウイルスの要請者が出たことでロケが一時中断したこともあったが、現在は撮影は終了し、ポストプロダクションに入っている。

 2022年内の公開が見送られることとなった背景には、ウィルのビンタ騒動だけでなく、スケジュールの遅延やアップルスタジオの下半期の作品公開スケジュールがすでにぎっしりと詰まっていることも影響しているという。

 ちなみに、ウィルは騒動後は公の場に姿を見せていないが、4月末にインド入りする様子が目撃。関係者曰く、インドを訪れた目的は撮影ではなく、ヨガや瞑想を行なうといったスピリチュアルな理由だそうで、心身のバランスを整え、感情をコントロールする力を養おうと努めているよう。(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.