よい睡眠に導く日々の習慣
寝つきがよくない、眠りが浅いといった睡眠の質にまつわる悩みは、新型コロナウイルスの感染拡大による環境の変化などによって近年とくに深刻化。多くの人が抱える睡眠の問題を解消するため、眠りを科学的に分析したり睡眠不足を改善したりするための製品やサービスである「スリープテック」が注目を集めている。
そんな睡眠の質を左右するのが、日々のルーティン。医師によると、よい睡眠に導くルーティンを実践することで、眠りの悩みの改善が期待できるという。心がけることで質の良い眠りに近づく、3つのルーティンをご紹介。
毎日の睡眠スケジュールを固定
睡眠の質と密接に関係しているのが、体内時計の役割。この睡眠時計が狂うことで、睡眠の質も低下しやすくなるのだとか。そこで大切なのが、寝る時間と起きる時間を毎日固定すること。
ミシガン大学の内科臨床准教授であり、睡眠障害センターの所長であるアフィファ・ウッザマン医師は、「休日に好きなだけ寝るなど、日によって睡眠スケジュールを変えてしまうと、眠りの質が低下することがあります」と米Allureで説明。基本的にいつも同じ時間に起床し、同じ時間に就寝するようアドバイスした。
昼寝のしすぎは禁物
じつは睡眠の質を低下させる要因のひとつが、昼寝の習慣。昼寝には、睡眠不足の解消やパフォーマンスを高める効果が期待できる一方で、場合によっては睡眠の妨げになることも。
ウッザマン医師は、「日中の昼寝は、夜に眠りにつくために必要な睡眠への意欲を低下させることがあります」と話し、昼寝は30分以内などほどほどにすることをオススメ。人によって昼寝が通常の睡眠の質に与えている影響は異なるため、一度昼寝をやめてみて、変化をくらべてみるのもいいそう。
メラトニンのサプリを取り入れる
睡眠の質を改善してくれるサプリメントは、ここ最近日本でも急激に増加中。たくさんの成分があるけれど、ウッザマン医師のオススメはメラトニンのサプリ。
人間の体で自然に生成されるメラトニンは"睡眠ホルモン"と呼ばれ、体内時計を整える働きを持っている。このメラトニンのサプリを取り入れることで、睡眠の質の改善が目指せるそう。また、リラックス効果をもたらして睡眠にアプローチするマグネシウムをサプリで取り入れるのもオススメだという。
とはいえサプリメントはあくまでサポートとして取り入れることが大切だそうで、ウッザマン医師は「サプリメントなしでは眠れないという状況は正常とは言えないので、頼りすぎるのはオススメできません」と忠告した。
日々のさまざまな習慣でよい睡眠を目指せることが分かったけれど、睡眠の悩みが深刻なら、病院に行くことも視野に入れてみて。ウッザマン医師は、「工夫しても睡眠が改善されない場合は、根本的な原因がほかにある可能性が高いので、医師に相談することを推奨します」と話している。(フロントロウ編集部)