女性コミュニティのサポートに力を入れるフェムテックブランドが増加
生理をはじめとした女性が抱える悩みをテクノロジーで解決するフェムテック。生理用品の選択肢の広がりや、女性目線でつくられたセクシャルウェルネス製品の増加といった変化によって、これまでタブー視されていた話題について議論しやすくなり、より多くの女性が快適な毎日を過ごせるようになってきている。
そんななか海外でとくに増えているのが、女性を支援するための取り組みに力を入れるフェムテックブランド。女性のニーズに答えるフェムテック製品の開発や販売のみならず、困難な状況にある女性コミュニティのサポートに購入金額の一部を充てるブランドが数多く存在。ユーザーも製品の魅力だけでなく、ブランドが掲げるビジョンや取り組みに共感して購入アクションに至ることが多く、真摯に取り組むブランドであればあるほど支持される傾向にある。
女性を支援するための取り組みを行なう注目のフェムテックブランドの中から、日本からも購入できる4つのブランドをご紹介。
saalt:月経カップの寄付やキレイな水施設の確保
saaltは、月経カップや月経ディスク、吸水ショーツなど繰り返し使える生理用品を展開するフェムテックブランド。とくに月経カップは刺激が少なく快適に過ごせると高い口コミ評価を誇っていて、数多くのメディアにベスト月経カップとして紹介されている。
そんなsaaltは、ひとりの女性がベネズエラに住む親戚から現地の女性を取り巻く過酷な生理事情を聞き、そんな現状を変えるべく立ち上げたブランド。購入金額の2%が女性のサポートにつながり、月経カップなどの製品の寄付だけでなく、トイレや井戸などのきれいな水施設を建設するプロジェクトを通じてコミュニティに投資されている。
さらには若い女性の教育奨学金や女性の労働力開発にも資金を提供。これらの取り組みが評価され、社会や環境に配慮した公益性の高い企業に与えられる、難易度の高い認証「B Corp」も取得している。
The HoneyPot:安心で安全な産前産後ケアを支援
以前フロントロウで紹介したThe Honey Potは、植物由来の成分のみを使用した低アレルギー性の生理用品やデリケートゾーンケア製品を展開するフェムテックブランド。100%オーガニックコットン素材でハーブやエッセンシャルオイルを使ったナプキンやタンポン、デリケートゾーンケアができるバスボムなどバラエティ豊かな製品を販売している。
そんなThe Honey Potは、女性のコミュニティを支援するさまざまな団体とパートナーシップを組んでいて、創業以来売り上げの2%を慈善団体に寄付し続けている。
購入する製品によってサポートできる団体が異なり、たとえば月経カップを購入すると、アフリカ西部のトーゴ共和国に住む女性たちに安全で継続的な産前産後ケアを提供。またデリケートゾーンウォッシュを買うと、サハラ以南のアフリカ全体できれいな水の井戸の建設、維持する取り組みを行なう団体を支援できる。
PUISSANTE:女性器切除に反対する団体に寄付
中東やアフリカの女の子たちが直面し、いまだに世界約30ヵ国で行なわれている「女性性器切除(FGM)」に反対する団体に寄付できるのが、PUISSANTEというセクシャルウェルネスブランド。
フランスのクラウドファンディングプラットフォーム「Ulule」から生まれたPUISSANTEは、マスターベーションのタブーをなくすことを目標に掲げ、すべての女性のプレジャーとセクシャルヘルスを守ることを重要視していて、女性への性暴力根絶のための支援活動を徹底。
製品を購入すると、1回の注文につき1ユーロが女性器切除に反対する団体「Les Orchidées Rouge」に寄付される。
BAUBO:国境なき婦人科をサポート
先日日本に初上陸したパリ発のデリケートゾーンケアブランドBAUBOは、100%オーガニックのデリケートゾーン製品を展開するブランド。安全にデリケートゾーンケアができるバームなどを販売し、フランスでは婦人科医が勧める製品となっている。
saaltと同様にB Corp認証も取得しているBAUBOは、さまざまな社会貢献や取り組みを推進。世界中で一人でも多くの女性の健康を祈って、「GYNÉCOLOGIE SANS FRONTIÈRES(国境なき婦人科)」に売上の2%を寄付している。
そのほかにも海外では、会員登録をすると女の子たちに生理用品が寄付できる月経管理アプリや、寄付が製品としてサブスク購入できるフェムテックブランドなども登場している。今回紹介した4つのブランドは日本からでも購入できるので、支援したい取り組みがあったらぜひ購入してみて。(フロントロウ編集部)