大物アーティストたちが楽曲の著作権を売却している
ジャスティンの楽曲につけられた約260億円という価格も極めて高額なものだが、近年、売却された他のアーティストの楽曲の著作権にはそれ以上に高額な値がつけられたものも。
例えば、“ボス”という愛称で知られるアメリカの国民的シンガーであるブルース・スプリングスティーンが楽曲の著作権などを2021年に米ソニー・ミュージック・エンターテイメントに売却した際には、5億5,000ドル(約712億円)の値段で売却されたと報じられており、米New York Timesはこの取引について「1人のアーティストの作品をめぐる史上最大の取引かもしれない」と評している。
他にも、2020年にはボブ・ディランが600曲以上の楽曲の権利を米ユニバーサル・ミュージック・パブリッシング・グループに3億ドル(約338億円)〜4億ドル(約518億円)の値で売却したほか、2021年にはサイモン&ガーファンクルのポール・サイモンが自身の全楽曲の権利を米ソニー・ミュージック・エンターテイメントに2億5,000万ドル(約323億円)で売却したと報じられた。より若い世代のアーティストたちについても、ジャスティン・ティンバーレイクが2022年5月にジャスティン・ビーバーと同じ英Hipgnosis Songs Capitalに1億ドル(約129億円)で、具体的な金額は定かでないもののシャキーラも2021年1月に同じく英Hipgnosis Songs Capitalに数億ドルで著作権を売却したと報じられた。
楽曲の著作権を買収することで、企業は楽曲から生じるロイヤリティなどを得られるというメリットがあり、アーティストとしても、一度に大金が手に入るという分かりやすいメリットがあるが、アーティストたちが次々に著作権を売却している背景には、様々な理由が考えられる。