自己紹介では『名探偵コナン』のセリフを引用
コナンのこの日の衣装は、黒のスキニーパンツに、ゴールドのスパンコールがついた煌びやかな黒のベスト。キラキラした衣装をチョイスしたのが、ジェンダーレスなファッションを好むコナンらしかった。途中、観客にマイクを向ける場面もあったのだが、1曲目から会場はシンガロングの大合唱に包まれることとなった。
「Disaster」を終えて、間髪入れずに披露した「Telepath」では、観客に投げキッスをする余裕も見せたコナン。ステージの上で飛び跳ねながらこの日の2曲目を歌い終えると、ここで、「横浜!こんにちは。僕の名前はコナンです」と観客に挨拶。日本語で「真実はいつも1つ」と続けて、自身の名前の由来でもある『名探偵コナン』のセリフを引用するという、来日公演ならではのMCも飛び出した。
「『スーパーエイク』ツアーの2日目の今夜、みんなと一緒にいられて嬉しいよ」と観客を改めて歓迎したコナンは、続けてファーストアルバム『Kid Krow(キッド・クロウ)』より「Fight or Flight」をパフォーマンス。コロナ下にブレイクした新人アーティストの例に漏れず、コナンもなかなか来日公演が実現しなかった1人だが、待ち望まれていた初来日公演が今回こうして実現したことで、ようやく、デビューアルバムからの楽曲も日本のファンに直接届けられた。当然、この楽曲もシンガロングに迎えられた後で、『スーパーエイク』より「The Exit」を挟んだ後で、パフォーマンス中に客席で絶叫があがることとなった、『キッド・クロウ』の名曲「Wish You Were Sober」へと続いた。
そもそも日本では言語の壁もある洋楽だが、パンデミック中に懸念されたのは、直接ライブを観る機会が制限されることで、日本のファンと洋楽アーティストとの間に必然的に距離が空いてしまうのではないかという不安。でも、コナンの横浜公演を観ていて感じたのは、洋楽アーティストとの間に物理的以外の距離はなく、そんな心配は無用だったということ。そして、むしろ本場のアメリカよりも、ファンとコナンの距離は日本のほうが近いかもしれないということ。当然のようにシンガロングに迎えられることとなった、ギターを手に披露された「Astronomy」の後でコナンが語った言葉を聞いて、その思いは確信へと変わった。
「ありがとう。みんな、素晴らしいシンガーだね。すごく素敵に、一緒に歌ってくれる。アメリカではこうはならないよ」。