最後はオーディエンス全員でコナンにサプライズ!
そして、最高の瞬間は、本編を終えてコナンが一度ステージからはけた後に訪れた。実はこの日、開演に先立ってファンが、赤いマスキングテープが貼られた「サプライズ企画」と書かれたメモを観客全員に配っていたのだが、そこには、「裏面に貼ってあるマスキングテープをスマホのライト部分に貼り、『Memories』が流れたらライトをつけて会場を照らしてください。会場を真っ赤に染めて最高のMemoriesを作りましょう」と書かれていた。
そして、いよいよアンコールで「Memories」が披露されることとなり、会場全員が赤いライトでステージを照らしながら、コナンが帰ってくるのを待っていた。
バンドに続いてステージに帰ってきたコナン。すぐに歌い出そうとしていたコナンだったが、観客が一斉にスマホを取り出してステージを照らしていた光景を目の当たりにして、思わず歌いながら照れて嬉しそうに笑っていた。「かわいい!」「ありがとう」と、ファンからの粋な計らいに日本語で応えたコナン。この日の最後の楽曲としてパフォーマンスされた「Memories」も、もちろん大音量のシンガロングと共に締め括られた。
初のジャパン・ツアーながら、横浜に約5000人の観客を集めてみせたコナンの人気ぶりもすごかったが、驚くべきは、今回が初の来日公演となったにもかかわらず、ファンがコナンのライブにおける勝手を知り尽くしていたということ。ファンはコナンが書く等身大の歌詞に心から共感していて、そのレベルは、コナンがいかなる楽曲のいかなるパートで客席にマイクを向けても、当然のように大合唱が起きたほどだ。ましてや「Maniac」や「Memories」のパフォーマンスでは、ほとんど1曲を通してシンガロングが起きていた。
途中、コナンがここ日本を「ホーム・カントリー」と呼ぶ場面もあったのだが、ライブを通じてずっと起きていたシンガロングを「アメリカではこうはならない」と語っていたように、コナンとファンが一心同体となってステージを作り上げていくその様子は、まさに日本の国民的スターのライブを観ているかのようだった。
初めてのジャパン・ツアーからこれほどの観客を集めたコナンだったが、次の来日公演はきっと、もっと大きな会場をいっぱいにできるだろうし、そこではさらに大きなシンガロングを聴けるはず。日本のファンを心から共感させ、熱狂させていたコナンのライブは、日本における今後の洋楽シーンの明るい輝かしい未来すら感じさせるものだった。(フロントロウ編集部)