グウィネスを訴えた男性が事故後の“問題発言”を釈明
事故後、サンダーソン氏はスキー事故に関するネットニュースの記事のリンクが添付されたメールを娘たちに送っており、そこには「私は有名になった」と書かれていた。
一部でこのメールは、グウィネスのような有名人と事故を起こしたことで自分に注目が集まる状況を、サンダーソン氏が好意的に受け止めていたのではないかと解釈されたが、証言台でその真意を問われた同氏は、「繰り返しますが、事故の後は頭が混乱していました。私はただ、子どもたちが私が事故にあったということを他の人たちから聞く前に、自分から先に伝えようと必死になっていただけなんです。言葉選びを間違えました。自分の気持ちとはまったく違うものでした。深刻な状況を少しでも和らげようとしたのが裏目に出てしまったんです」と釈明している。
グウィネスは事故の瞬間、“性的暴行”を受けたと思い固まった
事故の瞬間、サンダーソン氏のスキー板がグウィネスのスキー板のあいだに入り、グウィネスは無理やり股を開かされるような状態になったことから、性的暴行を受けたのではないかとパニックになり、固まってしまったという。
なお、サンダーソン氏の弁護士から、何をもって性的暴行だと思ったのかと聞かれたグウィネスは、「スキーをしていたら、2本のスキー板が私のスキー板のあいだに入り、私の足を無理やり引き離しました。それから、誰かが背後から体を押しつけてきたんです」、「(性的暴行は)その瞬間に頭によぎったことでした。奇妙なうめき声がして、うしろに(サンダーソン氏の)体があったので、何が起こっているのか理解しようとしました」と証言している。
テイラー・スウィフトの名前が挙がる
事故とは無関係のシンガーのテイラー・スウィフトの名前が挙がる場面もあった。この裁判で、グウィネスは「1ドル」の損害賠償を求めているが、この金額は、2017年にテイラーが元ラジオパーソナリティのデヴィッド・ミューラーをセクハラで訴えた裁判で勝ち取った賠償金の額と一致している。
テイラーが賠償金を1ドルに設定したのは、お金のためではなく、自身の名誉と尊厳、そして声をあげることの大切さを示すためであったことから、グウィネスの弁護士は「(1ドルという額は)このような状況にあるすべての女性にとって、その価値は計り知れないということを象徴しています」と裁判で言及。グウィネスも、「私が求めているのは1ドルです。実際にはそれ以上の被害を受けているので、これは象徴的なものです」と共鳴した。
ちなみに、サンダーソン氏の弁護士から、賠償金の額を1ドルに設定したのはテイラーの影響かと聞かれたグウィネスは、「最初に聞かれたときに、テイラーの裁判のことはよく知らないと言ったと思うのですが、今は知っています。(テイラーとは)仲良しとは言いませんが、友好的ではあります。以前、子どもたちを連れて彼女のコンサートに行ったことがありますが、頻繁に話をするような仲ではありません」と答えている。
グウィネスの娘と息子が証言
事故当時、グウィネスと一緒にスキー場にいた、娘のアップル(18)と息子のモーゼス(16)も証言台に立つ予定だと言われていたが、出廷する代わりに供述調書が読まれた。
アップル(※事故当時は11歳)もモーゼス(※事故当時は9歳)も事故の瞬間を目撃していないそうで、騒ぎを聞いて駆けつけたモーゼスは、スキーウェアを見て、事故に遭ったのが母のグウィネスであることに気づいたという。モーゼスによると、グウィネスが男性に向かって怒鳴る声が聞こえたそうで、Fワードと呼ばれる放送禁止用語を交えて「一体、何なの!私にぶつかってきた!」と言っていたと供述。
さらに、事故直前、モーゼスがグウィネスに「ママ、僕がスキーをしているところを見て!」と声をかけ、そのせいでグウィネスの注意が逸れたとサンダーソン氏の弁護団は主張していたが、モーゼスはそのようなことはなかったと否定した。また、グウィネスと一緒にいたスキーインストラクターがサンダーソン氏を怒鳴ったという主張についても、“ない”としている。
一方のアップルは、騒ぎが起きていることには気づいていたが、事故が起きた場所よりも下を滑っていたため、現場へは駆けつけずそのままロッジに向かったそう。また、ロッジに戻ったあと、グウィネスから事故について話を聞かされたそうで、「ランチのときに母から話を聞きました。何が起こったか話してくれました。母が少しショックを受けているように見えたので、何があったのか尋ねると、『あのバカ野郎は私に突っ込んできたの。彼は私の背中に突っ込んできたのよ』と言いました。そう言いながら、“背中にぶつかってきて、2人とも倒れてしまった”という動作をしたのを覚えています」とそのときのことを振り返っている。