ノルウェーで休暇中のシグリッドにインタビュー
「ノルウェーと他の国の大きな違いは、ワークライフバランスを大切にしているかというところだと思います」。2023年4月、イースター休暇を家族と過ごすために滞在していた母国ノルウェーからZoomでフロントロウ編集部の取材に応じてくれたシンガーのシグリッドは、仕事で世界各国を飛び回る中で実感したノルウェーの音楽業界の特徴について話を向けると、そう答えてくれた。
「例えばイースターの時期には、多くの人が休暇をとると思いますが、ノルウェーの人たちはこの時期にも一生懸命働いているんです。個人的には、そういう仕事へのこだわりはリスペクトしています」。
休暇の最中に、わざわざ日本のためにとインタビューに応じてくれたシグリッドも、多くのノルウェー人の例に漏れず働き者のようだが、少なくとも、束の間の休暇を楽しむことはできているよう。「今はノルウェーで家族とイースターのお祝いをしています。スキーに行ったり、料理を楽しんだりしていますよ」。
ノルウェーといえば、シグリッドの同い年の友人でもあるオーロラや、アラン・ウォーカー、ガール・イン・レッドなど、欧米で活躍する勢いのある若手アーティストたちの出身国としても知られている国だが、5月10日に満を持して日本デビューアルバムをリリースした、同国の港町オースレンに生まれたシグリッドもまた、デビュー以降、特に高い評価を得続けてきた1人。イギリスの新人アーティストの登竜門として知られる<BBCサウンド・オブ>の2018年のリストで1位に選出されたことを皮切りに、2019年にはForbes誌が選出する世界で活躍する30歳以下の著名人を選ぶ「30 Under 30」欧州版でミュージシャン部門に選出。日本デビュー盤『ジャパン・エディション』としてもリリースされるセカンドアルバム『ハウ・トゥ・レット・ゴー』は、母国ノルウェーのアルバムチャートで2作連続となる1位を獲得し、全英チャートでも2位にランクインした。
今やノルウェーを飛び出して、世界中を飛び回りながら活動しているシグリッドだが、そんな彼女がずっと行きたいと願ってきた国が、ここ日本だという。「日本に行くのが本当に楽しみなんです! 決して大袈裟ではなくて、私にとっての夢でしたから。死ぬまでにやりたいことの一つでした」と話す。
5月25日には初となる単独での来日公演が、同月27日にはGREENROOM FESTIVAL’23への出演が控えているシグリッド。リラックスしたムードでノルウェーからZoomを繋いでくれた彼女に、最初のグローバルヒットとなった2017年リリースのシングル「Don’t Kill My Vibe」などこれまでのキャリアを簡単に振り返ってもらいながら、初の来日に向けた意気込みはもちろん、“手放すこと”について書いた『ハウ・トゥ・レット・ゴー』に込めた想いや、オーロラとの友情、イギリスを代表するロックバンドであるブリング・ミー・ザ・ホライズンとの意外すぎるコラボの裏話など、たっぷりと訊いた。