マーク・ヘン氏にディズニー100周年記念インタビュー
2023年に創立100周年を迎えるウォルト・ディズニー・カンパニー。今でこそ、世界各地のテーマパーク事業をはじめ、ピクサーやマーベル、ルーカスフィルムといった様々なスタジオの作品など、幅広い事業で知られる同社だが、そのルーツといえばディズニー・アニメーション。同社は1937年に世界初の長編アニメーション作品として発表された記念すべき1作目『白雪姫』を皮切りに、2022年に公開された『ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界』まで、これまでに61の長編アニメーション作品を世に送り出してきた。
世界一有名なキャラクターと言っても異論はないだろうミッキーマウスを筆頭に、初期の頃から白雪姫やピノキオ、ダンボ、バンビ、ピーター・パン、ティンカー・ベルなど、世界中の人々から今なお愛され続けているアイコニックなキャラクターたちを長編アニメーション作品で生み出してきたディズニー。誰もが共感できるストーリーテリングとキャラクターで世界中の人々を魅了してきたディズニーだが、7歳の頃に『シンデレラ』を観たことをきっかけにディズニーのアニメーターを志したマーク・ヘン氏も、ディズニーの世界観に人生を変えられた1人。
そんなマーク氏は、故ウォルト・ディズニーが出資したことでも知られるカリフォルニア芸術大学(カルアーツ)でアニメーションを学んだ後で、1980年に晴れてウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオのアニメーターに。ディズニーのレガシーを受け継ぎ、『ライオン・キング』のシンバを誕生させたほか、“プリンセス・ガイ”の異名もとる彼は、『リトル・マーメイド』のアリエルや『美女と野獣』のベル、『アラジン』のジャスミン、ムーランといった、“ディズニー・ルネサンス”として知られる1990年代頃に訪れたディズニー黄金期の1つを支えたプリンセスたちの生みの親でもある。
1980年に入社し、最初の作品としてディズニー24作目の長編アニメーション作品である『きつねと猟犬』に携わって以来、今年で入社43年目を迎えるマーク氏は、ディズニー100年の歴史のその半分近くを主要アニメーターの1人として支えてきた。「すべてのキャラクターが特別な仕事でした」と、2023年4月に来日したマーク氏はインタビューでこれまでの自身のキャリアを振り返る。