アメリカのデートシーンでは、メンタルヘルスはもはや赤信号と見なされていない。約4分の3の成人が、最初のデートで心の健康やセラピーについて話すことに抵抗はないという。(フロントロウ編集部)

「メンヘラ」がネガティブに捉えないアメリカの若者

 多様なセクシュアリティ、ジェンダー、民族、社会的背景を持つ18歳以上の成人1,000人を対象に行なった米調査で、ほとんどの人が、過去にメンタルヘルスの専門家に相談しに行った経験があるか、現在相談している相手を探していることがわかった。

 調査を行なったのは、米出会い系アプリ「Pure(ピュア)」。ユーザーがプロフィールではなく新聞広告のように求める相手の広告を掲載するというスタイルの出会い系サービスだ。

 Pureの調査によると、92%の人がセラピーを受けた経験のある人とデートしたいと回答。そして10人に7人が初対面の人とメンタルヘルスについて話すことに抵抗がなく、50%が初デートでメンタルヘルスについて話す行為を「魅力」として感じることが分かった。

 さらに、過半数(53%)が出会い系サイトのプロフィールにメンタルヘルスについての記述があることをプラスのポイントと捉えており、どちらでも良い(42%)を除くと、ネガティブなポイントととらえる人はわずか5%。

 日本ではメンタルヘルスの問題を抱えていることを「メンヘラ」という言葉を使いネガティブな文脈で語る傾向があるが、アメリカでは、根っこの部分の向き合い方で変革が起きているためネガティブなこととは捉えない傾向が若年層の間で広がっている。

 “心の健康=身体の健康”とイコールで考える姿勢が広まっていることで、“身体の調子が悪くなることがあるように心の健康のバランスが悪くなることも当たり前”だと認め、予防・対策を通して身体の不調を整えることが良しとされるように、定期的なセラピー受診で心の不調を予防・対策する行為も良しとする。そんな考え方が、今回の調査結果に繋がっている。

 Gallupが米成人を行なった調査によると、2022年にセラピストや精神科医など専門家に受診した人は全体の23%に達し20年前の13%から増加。受診したと答えた人の割合は、年齢が若いほど高かった。

 一方で、セラピーに行っていないからデートのマナーが悪いというわけでもないよう。セラピー経験がある人ほどデートでの問題行為がないと答えたのはわずか23%。

 メンタルヘルスを整えるのは大事なことだが、その答えがセラピーではない人もたくさんいる。Pureも、「もしあなたがセラピーの必要性を感じたことがなかったり、まだ行きたいと思えていなかったり、あるいは単にセラピーが自分に合っていないと思っていたとしても、恋愛の未来がないということではないです」とコメントし、大切なのは自分に合った理想の相手を探すことだとした。

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