あらゆる社会的な“標準“に囚われることを嫌い、徹底して自分らしさを貫くその姿勢が、同世代の多くの男性ファンたちを含む“ありのままの自分でいたい“と願うあらゆる人たちを惹きつけてきたヤングブラッド。彼が来日したタイミングでインタビューを実施し、メンタルヘルスをめぐるスティグマ(汚名)や、“男は強くあるべき“などという社会的な男らしさが男性たちを苦しめるトキシック・マスキュリニティ(男らしさの呪縛)などについてトーク。社会の呪縛を拒みながら、無防備なありのままの自分でいることの大切さを力強く語ってくれた。(フロントロウ編集部)

メンタルヘルスをめぐるスティグマについて

一方で、メンタルヘルスにはスティグマ(汚名)がついてきますよね。メンタルヘルスの調子が悪いことを打ち明けるのは恥だとか…

「苦しいんだ」って言うこともそうだよね。

そうです。そういうスティグマにはどのように対処してきたのでしょう?

闘いを挑むまでだね。コミュニティを創るんだ。それがスティグマにならない世界をね。ヤングブラッドが大きくなれたのは、そのおかげだと思う。ここなら、どう感じていようと関係ない。不安を感じていたとしても、苦しんでいたとしても、周りから変わり者(ウィアード)と思われていたとしても、ここでは君を受け入れるから。この世の中が君を受け入れないなら、自分たちで世界を創ってやろうよ。そう思わない?

画像2: Photo:©Sotaro Goto
Photo:©Sotaro Goto

個人としては、プライベートでは普段はどうやってメンタルヘルスのケアをしていますか? 心から健康でいるためにやっていることなどあるのでしょうか?

セラピーに行くようにしていることかな。それはすごく助けになっているよ。それから、ファンベースとの繋がりも。音楽を書くのは、心の健康を保つためでもあるような気がする。捌け口があるようなものかな。痛みが創られたら、絵を描いたり、文章を書いたりしている。常に何かするようにしているよ。

そうやって書かれた歌詞はものすごくリアルですよね。例えば『ヤングブラッド』の「Tissues」で繰り返される、「また恋に落ちる/そして明日には悲しくなる(I'm in love again, and tomorrow I'll be sad)」とか。

(グータッチをこちらに差し出しながら)分かる!? クレイジーだよね! あの曲については、俺はずっとニューウェーヴの音楽が好きだったというのがあってね。ザ・スミスとか、ザ・キュアー、ジョイ・ディヴィジョンとかが大好きで、それは俺の大部分を構成しているんだけど、多くの人たちはそれを知らなかったんだよね。多くの人たちは、俺はパンクだけが好きみたいに思っていたんだけど、子どもの頃は踊るのも大好きだった。だから、ダンスしたかったんだよ! 怒りを込めるのではなく、悲しみのなかでダンスしたかった。

だって誰もが愛を感じたいと思っているから
みんな愛されたいと思っているんだ

「Tissues」歌詞抜粋

「また恋に落ちる/そして明日には悲しくなる」っていうフレーズは、歌詞というよりも、感情に近い。正直に言うけど、俺がずっと抱えてきたものなんだ。このコーラスの部分は5年前からできていたんだけど、ようやくそれに合う曲が見つかった。今は気分が優れているけど、また闇が襲ってくることが分かっているっていうね。また気分が沈んでいくはずって、自分のなかで分かってしまうんだよね。

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