アイルランドのシンガーソングライター、グレン・ハンサードが7月29日の早朝、ダブリン郊外でオートバイ事故により急逝した。映画『ONCE ダブリンの街角で』の楽曲「Falling Slowly」でアカデミー賞を受賞した、アイルランドを代表する音楽家だった。56歳だった。(フロントロウ編集部)
午前4時半前、単独バイク事故で死去
所属事務所のATCマネジメントは「深い悲しみとともに、グレン・ハンサードの急逝をお伝えします」と声明を出した。米NBC Newsの報道によると、現地時間の7月29日午前4時半前、ダブリン西部ルーカンのストロベリー・ベッズ付近で、バイクによる単独事故が発生した。救急隊が現場に駆け付けたが、その場で死亡が確認された。アイルランドのミハル・マーティン首相は「アイルランドの文化的な風景に多大な貢献をしてきた才能ある音楽家を失った」とXに投稿し、「家族、友人、そして世界中のファンに心からお悔やみを申し上げる」と続けた。
「Falling Slowly」でアカデミー賞
1970年ダブリン生まれのハンサードは、10代から街角でバスキング(路上演奏)をしていた。1991年の映画『ザ・コミットメンツ』で俳優デビューを果たし、ロックバンド、ザ・フレイムス(The Frames)のフロントマンとして長くアイルランドの音楽シーンを牽引した。

2007年の低予算ミュージカル映画『ONCE ダブリンの街角で』では、チェコ出身のミュージシャン、マルケータ・イルグロヴァと共演し、劇中歌を共同制作した。イルグロヴァと共同制作した「Falling Slowly」が、2008年のアカデミー賞歌曲賞を受賞した。映画はその後ブロードウェイでミュージカル化され、2012年のトニー賞で作品賞を含む8部門を制した。イルグロヴァとの音楽デュオ、ザ・スウェル・シーズン(The Swell Season)では、2025年6月に16年ぶりのアルバム『Forward』をリリースしたばかりだった。
毎年クリスマスイブにダブリン中心部で行っていた、ホームレス支援のためのチャリティー路上演奏は、ダブリンの冬の風物詩として多くの人に親しまれていた。2023年には、ザ・ポーグスのシェイン・マッゴーワンの葬儀で「Fairytale of New York」を歌い、参列者が教会の通路で踊る姿も話題になった。妻でフィンランド出身の詩人マイレ・サーリツァと、3歳の息子クリスティが残された。
















